働き方改革への最終チェック

働き方改革への最終チェック
2023年10月号 No.552

定着率向上への取組②

5年遅れとされていた建設業における時間外労働の上限規制の施行まであとわずかです。働き方改革は単に労働時間を削減することが目的ではなく、生産年齢人口が減少し、働き手が不足する中、限られた時間の中で成果を上げるといった生産性の向上が本当の目的なのです。とはいえ、社内の労働環境を一気に変えることはできません。1つ1つの取り組みを重ね、上限規制への対応を準備していきましょう!!

定着率向上には「見える化」がキーワード

建設業は一定の就業場所ではなく、常に働く現場が変わるため、移動時間や準備時間、事務所に戻ってからの書類作成時間等、労働時間の取扱いがあいまいなケースをよくみます。しかしながら働き方改革が進み、労働時間を適正に管理をしはじめると、今まで慣習であったルールについてもしっかりと決めていくことが重要になってきています。あいまいなルールの元では働く人は不安になり、それが会社への不信感にもつながります。社内のルール、キャリアパス等もしっかりと見えるようにすることが安心して働く職場をつくる第一歩なのです。

 

日給月払制から月給制への検討

現場作業員を抱える事業所では、まだまだ日給月払制の事業所をよくみます。要は出勤した日の分だけの賃金を支払うわけですが、これではいつが会社の労働日(所定労働日)かがわからないため、振替や有給休暇を取得するのも難しいのです。振替とは所定労働日と休日を交替することをいい、有給休暇とは所定労働日にお休みをすることをいいます。「仕事がない時期もあるのに月給にするのは不安だ」という方もいらっしゃいますが、月給制にすることはそれほど難しいことではありません。月平均所定労働日をベースに基本給を設定し、所定労働日に出勤した日以外は割増賃金を支払って働いてもらえばいいのです。日給がベースの業界は建設業と運送業です。若い人の入職を希望しているのであれば、月給制は当たりまえです。安定志向の若年者が増える中で、不安定な日給制は選ばれません。働き方改革を機に月給制への検討をしていきましょう。

 

社内のコミュニケーション

仕事において、コミュニケーションは重要です。特に働き方改革が進む中で、労働時間管理が厳しくなり、直行直帰の推進、テレワークの活用、会議のWEB化等により日常のコミュニケーションが少なくなってしまっている会社も多いようです。仕事とコミュニケーションの時間にメリハリをつけ、社内でのコミュニケーションの場を作ることも重要です。会社によっては社外の部活動に対しての費用の援助、チームごとの月1食事会の推奨、社員旅行等を実施しコミュニケーションを図っているところもあります。世代間のギャップを埋め、円滑な仕事のためにも社内コミュニケーションの場を作っていきましょう。

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