働き方改革への最終チェック

働き方改革への最終チェック
2023年7・8月号 No.550

生産性向上への取組

5年遅れとされていた建設業における時間外労働の上限規制の施行まであとわずかです。働き方改革は単に労働時間を削減することが目的ではなく、生産年齢人口が減少し、働き手が不足する中、限られた時間の中で成果を上げるといった生産性の向上が本当の目的なのです。とはいえ、社内の労働環境を一気に変えることはできません。1つ1つの取り組みを重ね、上限規制への対応を準備していきましょう!!

時間管理の次の課題

適正な労働時間管理を始めると、次の課題は仕事に対する評価になります。仕事の早い人は一定の時間で仕事を終えることができますが、仕事の遅い人は時間内で作業を終えることができないため、残業代が増えるという現象が起きます。よく「仕事ができない人にばかり残業代を払っているよ」という経営者の方のお話を聞きますが、それは、時間単位であげられる成果、いわゆる生産性に対しての評価が出来ていないのです。働き方改革は、早帰り運動でも会社の残業削減のための方策ではありません。今まで10時間かかった仕事を8時間で終えるような取組をすることなのです。そして適正な評価のためには、業務内容が見えないとできません。適正な時間管理とは、時間の記録をすることだけではなく、仕事の見える化も同時にする必要があるのです。

評価の基準は?

今までの日本の雇用は終身雇用が前提であったため、給与は段階的にあがっていきました。それは、長く在職することで、その時間の経過と共に能力も上がっていくと考えられていたからです。しかしながら、ITの急激な進歩、外国人雇用も多くなっていく中で、同じ会社に退職までいるというケースは少なくなりました。そのため、評価の基準も「人」基準から「仕事・役割」基準に変化をしていく必要があります。「自分より年齢が上というだけで、自分の給与より高いのはおかしい」といった不満もよく聞きます。定着率を高めていくためにも適正な評価をしていく必要があるのです。

会社の求める社員像とは?

評価といっても、そもそも会社が社員に求める基準が見えていなければ評価をすることができません。改めて、自社の社員にどのような基準を求めるかを明確にしていきましょう。仕事のスキルに関する基準、会社の中での求める役割、会社として何を大事にしていきたいのかを見える化していきましょう。技能職に関しては、建設キャリアアップシステム(CCUS)によりスキル基準が見える化ができるようになってきました。しかし、会社には、スキルの他にも部下育成に協力をする、チームワークを大切にするといった貢献度もあるはずです。CCUSを活用しながら、自社の能力基準を決めていくことも1つの方法です。

 

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