働き方改革への最終チェック

働き方改革への最終チェック
2023年7・8月号 No.550

生産性向上への取組

取組事例

きっかけ きっかけは「これからの働き方」

「子供たちに建設業の未来を託す」というテーマでの会議があった際に、朝早くから夜遅く働くことが美徳といった価値観が崩れていきました。その後仕事も暮らしの中の一部と考えるなら、働き方も暮らし方も無理なく続けられる方法はできないか?というところから社員定着のための仕組みづくりを検討していきました。

人事考課制度への取組

今まで、技術職も技能職も明確な人事制度がありませんでした。そのため、どのようなスキルがあり、どのような成果をだせば給与が上がるのか?というものが見えませんでした。そのため、社内で資格等級制度を導入し、それぞれの等級基準を明確にし、賃金との連動をスタートしました。特に技能職(職人)にあたっては評価という文化がなかったため、客観的な基準を作成するのに時間がかかりました。

社内研修の実施

定期的に外部講師を呼んでの社内セミナーを実施しています。まずは階層別セミナーを開催しました。指導者に対しては「指導者セミナー」として、リーダーシップ、部下育成のポイントについて学んでもらい、若手社員に対しては「若手向けセミナー」として、仕事に対する向き合い方等について学んでもらっています。階層にわけることにより、お互いの立場を理解することができ、仕事においてのコミュニケーションの重要性を認識してもらうことを主眼としました。

効率化について

時間管理については、勤怠アプリを導入しました。これは、わざわざ現場が終わってから会社へタイムカードを押しにくる移動時間がムダではないか?と思ったからです。この勤怠アプリも自社用にカスタマイズし、現場名も選べるようにしました。そのため、管理部門の社員も誰がどの現場に行っているのかわかるようになり、社内でのコミュニケーションが円滑になりました。

今後の課題

生産性の向上には、社員教育は重要だと感じています。今は階層別の研修からスタートしましたが、今後は個々の自己啓発に関する研修等も取り入れていきたいと思っています。人生において大半の時間を占める仕事という時間を、社員の生活の中にどう取り入れていくのか?ということを考えながら社員の定着を図っていこうと思っています。

まとめ
ライフステージにより仕事に対する考え方は変わります。例えば、新入社員の時は、もっと知識をつけたいので、仕事の時間をとりたいと思うときもあり、家族が増えれば家族との時間を大切にしたいという時期があり、また自分のまわりで介護者が出れば今までのような働き方が出来なくなるケースもあります。今後、定着率を高めていくためには、多様な働き方に対応する仕組みづくりが重要です。そして多様な働き方に対応するためにも、「仕事・役割」基準の評価の構築が重要になってきています。

 

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