FRONTIER

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2023年6月号 No.549

「同じ現場はない、だからおもしろい!」雄大な地で活躍する現場のプロフェッショナル。

北村きたむら 良太りょうたさん
草野作工株式会社
北海道出身

雄大な北海道の地、札幌圏を中心に橋梁などの公共工事をはじめとした様々な建設事業を担う草野作工株式会社。本格稼働前の準備工事の現場でバックホウを巧みに操るのは、同社に勤める北村良太さん。これまで河川工事や道路工事、トンネル工事など多彩な現場に携わるとともに、ときにはバックホウやブルドーザーを使った重機作業をこなし、ときには足場を組み立て、現場の安全点検を行うなどオールラウンドに力を発揮。臨機応変かつ幅広い場面で活躍する北村さんに、同社の仲間や周囲の職人たちも大きな信頼を寄せている。「毎日淡々と同じことをする仕事ではありません。どの現場にも違いがあり、どの現場にもおもしろさがある」と、自身の仕事の醍醐味を語る。「もちろん楽しいことばかりではなく、苦労する場面もあります。北海道という土地柄、冬は降雪や地吹雪との戦い。札幌大橋の下部工事では、朝早くに現場に入って除雪、作業中にも除雪と、雪と格闘していました(笑)。ですが、そうした困難を乗り越えて竣工を迎えた際には、喜びもひとしおです。家族にも『ここは自分が造ったんだ』と胸を張って自慢できますね」。

様々な現場に足を運ぶ北村さんが心がけているのは、現場周辺に暮らす方々とのコミュニケーションだという。「当社の姿勢でもあり、先輩たちに見習ったことでもありますが、地域の方々には積極的に挨拶するようにしています。土木工事は、地域の方々が普段暮らしているテリトリーに入るような場面があります。不安感や不信感を抱かせてしまわないよう、こちらからお声がけをするようにしています。あわせて気をつけているのは、現場をいつもきれいに保っておくこと。整理整頓はもちろん、ゴミ1つでも落ちていたら拾っていきます。細かなことですが、効率面や安全面を考えても、作業環境は良くしておきたいです」。

『ニュー6K』(給料が良い、休暇が多い、危険回避、絆、きれい、カッコいい)をスローガンにした職場環境改善などにも積極的な草野作工。北村さん自身、同社の取り組みが快適な働きにつながっていると感じている。「働き続けるために大切なのは、やはりワークライフバランス。当社は週休2日制に早い段階で取り組んだので、仕事と自分の時間とのメリハリをうまくつけることができています。スケジュールの調整もしやすくなり、子育ての時間、家族との時間もとれるようになりました。また資格取得も積極的にサポートしてもらえ、昨年度は基幹技能者、作業主任者などを取得することができました。現場経験を重ね、資格を取得していくごとに、成長を実感できます」と笑顔を見せる。

近年は若手をサポートする場面も多くなってきた北村さん。「現場にはずっと関わり続けながら、若手もしっかり育てていきたいと思っています。建設業はスケールの大きさも魅力ですが、災害などに備えた工事などで暮らしを守る意義のある仕事。入職を迷っている方にも、ぜひ挑戦してほしいと思います」。


草野作工株式会社
代表 草野 貴友 氏

建設業は、金融機関や電力会社などと同じく公益性・公共性の高い仕事。だからこそ、建設業に関わる方々のベースアップや週休2日制、CCUSなどを当たり前のものにしていくことが大切です。当社でも利潤を働き手に還元するとともに、本人の頑張りや周囲の評価をしっかりと反映できる社内投票システムなどの仕組みを築いている最中です。10年・20年後、若い方々が入ってみたいと感じる魅力ある業界にするため、今何に取り組むべきか、建設業を担う私たちがバックキャストで考えることが重要だと感じています。

建設人材育成優良企業表彰『国土交通大臣賞』を受賞

 

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