働き方改革への最終チェック

働き方改革への最終チェック
2023年5月号 No.548

労働時間管理②

5年遅れとされていた建設業における時間外労働の上限規制の施行まであとわずかです。働き方改革は単に労働時間を削減することが目的ではなく、生産年齢人口が減少し、働き手が不足する中、限られた時間の中で成果を上げるといった生産性の向上が本当の目的なのです。とはいえ、社内の労働環境を一気に変えることはできません。1つ1つの取り組みを重ね、上限規制への対応を準備していきましょう!!

労働時間の適正把握

労働時間の適正な把握のために、厚生労働省より「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」がでています。ここでは、使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、適正に記録することとなっています。建設業においては、日給の作業員の方は、出面表のみの管理で、始業・終業の時刻を記載していないケースが見受けられますが、日給者の方であっても時間の記録は必要です。また、今回の働き方改革関連法の1つとして労働安全衛生法が改正されました。以前は労働時間の把握は適正な残業計算をすることが主たる目的であったのが、労働時間を適正に把握することで、長時間労働や過重労働を防ぐという目的もあり、健康管理の観点からも残業の対象外でもある管理監督者も含めたすべての労働者に対して労働時間の把握が義務化されています。

時間管理の原則的な方法

①使用者が自ら現認により確認すること
②タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎として確認し、適正に記録をすること

自己申告制で労働時間を把握する場合

①管理者側、労働者側に適正な運用方法を説明すること
②自己申告の時間と実態の時間(入退場の記録やパソコンの使用時間等)と乖離がある場合は、必ず確認をし、実際の労働時間を記録すること

例えば、9時に出勤という申告をしたにも関わらず、朝の入場の記録をみると7時だったとします。この場合、必ず本人に確認をしてください。本人が、仕事が溜まっていたので、業務をしていたというのであれば労働時間となりますが、「朝はゆっくり通勤をし、会社で朝食をとっていました」ということであれば、始業は申告通りの9時になります。

時間のチェックは1週間まとめでは、正しい実態調査ができません。日々の管理をしっかりしていきましょう!!

 

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