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2021年12月・2022年1月 No.534

教員歴2年目の“新米先生”、母校に帰る!目指すは、生徒の力となれる恩師のような教員

60年にわたり茨城県西地区の工業教育を担う茨城県立下館工業高等学校。地元の要望に応えながら機械科、電気科、電子科、建設工学科を擁する現在の4学科制となりました。これまでに輩出した卒業生は1万人超、各方面の第一線で活躍をしています。今回取材をした、建設工学科の戸頃志穂先生も同校の卒業生。初任校が母校という戸頃先生に学生時代に受けた影響や生徒への想いを伺いました。

良い先生に囲まれた学生時代 生徒を同じように見守りたい

「高校生の頃、進路を検討する中で『自分が憧れているものはなんだろう』と考えたのですが、真っ先に思い浮かんだのは自分のことを助けてくれた先生方でした」

当時の同校は女子生徒が少なく、学生時代の戸頃先生が選択した都市工学コースには女子は1名のみ。熱中していた硬式テニス部の仲間も男子生徒ばかりで、部活動での挫折など想いを分かち合い、打ち解ける仲間がいないと感じていた時期もあった。そんな時に手を差し伸べてくれたのが、部活動の顧問をはじめとした先生方だった。

「テニス部以外の先生が一緒にコートに立ってプレイしてくれた事もありました。そういう先生方の存在があったからこそ3年間頑張ることができたし、自分も同じように生徒の手助けができる存在になりたいと思いました」

自身が先生から受けた影響を今度は生徒に還元すべく、担任をしている1年生の生徒たちと向き合う戸頃先生。常に見守り、導いてもらっていた感覚を覚えているからこそ「生徒たちの様子をそばできちんと見取りたい」と、休み時間には短時間でもよいからと必ず教室に足を運ぶようにしている。そこでは授業だけではつかみ取れない生徒たちの得意不得意な部分や人間関係を観察。クラス内のコミュニケーションが円滑になるような雰囲気づくりを徹底している。

生徒の輪に寄り添い信頼関係を築く一方で、生徒と適切な距離感を保つことでクラスの規律を整えている。

「生徒と年齢が近いこともあって、気軽にいろんなことを話してくれます。しかし、 “生徒と先生”であることが大事。それを態度で示すため、教壇に立っているときには言葉遣いや身だしなみを意識して、“先生を演じて”います。逆に教壇を降りると、フランクに生徒と話すようにしています。オンとオフのスイッチを適度に切り替えることで、相談したいときには相談しやすい存在でありたいなと思っています」

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