FOCUS

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2021年11月 No.533

「実習」の面白さとは何なのか!? 事前の予備学習動画の YouTube配信が大活躍

自身の授業の様子を客観視
YouTubeが授業力向上のきっかけに

このようにYouTube活用に取り組む高橋先生に、最初のきっかけを与えたのは土木科教員の藤﨑先生だ。藤﨑先生はYouTubeを活用し「土木の授業」チャンネルを開設している。チャンネルは制限をかけておらず誰でも視聴することができ、登録者数は1850人(2021年10月現在)。測量士の資格試験対策のための動画を中心に、国家公務員試験の対策としての力学や施工、また同校のカリキュラムに沿った授業関連のものまで多くの動画をアップしている。

「測量士試験に関しては、問題集や解説動画がほとんどありません。そこで、私なりの解き方をアップしてみました。元々は、前任校で担当していた生徒たちが測量士試験に挑戦していたのですが、彼らの受験日まで見守ることなく当校へ赴任してしまったので、できることはなにかないかと考えて動画にたどり着きました。やってみると楽しくて、どんどん動画が増えていって(笑)。今、当校では測量士試験を受験する生徒はいませんが、この先、受験を目指す生徒が出てきた時のために、今は粛々と解説動画をストックしているところです」

藤﨑先生の動画の特徴は、1本10分程度と短いこと。ポイントを絞って端的に解説している。

分かりやすい解説動画になっているかチェックを繰り返すことで、自分の授業を客観視することが可能になる。声のトーンや話すスピード、板書の分かりやすさなどを確認することで授業力向上にもつながっているのだそうだ。

学校での遠足の一コマ。「元気があり余るクラスで、学ぶべきことがたくさんあります。
生徒には、自ら学べる大人へと成長していってほしいです」と藤﨑先生

生徒の理解を促すために養いたい
圧倒的な教科指導能力

担任と副担任という間柄のふたりだが、高橋先生は藤﨑先生からもらった忘れられない言葉があるという。それは「先立つものは勉強。何よりも圧倒的な教科指導能力を身につけろ」という言葉。これを胸に、苦手な数学力を試される資格試験の補習などにもチャレンジし、生徒と一緒に電卓を叩きながらも「どうしたら生徒が理解しやすい説明ができるだろう」と模索し続けていると高橋先生はいう。

そんな姿を温かく見守りつつも「教材を見ながら説明しているようじゃ、まだ足りない。全体を理解し知ったうえで、何も見ずに説明できるくらいになってほしい」と藤﨑先生は檄を飛ばす。その言葉に、やる気をさらに鼓舞したように深くうなずく高橋先生の姿が頼もしい。

https://youtube.com/channel/UC5VgId-X492iyOqWG23aqow

https://youtube.com/channel/UC67NFe1qF52ToaL04hZ8XKw

 

高橋先生推し

牛根大橋

桜島と垂水市を結ぶ「牛根大橋」。架設工事当時、大学4年生だった高橋先生は地組された橋梁をクレーンで海上移動させる現場を見学。橋台と橋げたのドッキングを1㎜単位で調整する様子に、壮大な土木作業の中に繊細な作業の重要性を見たと言います。

 

藤﨑先生推し

鶴丸城(鹿児島城)御楼門

明治維新150周年を機に復元された「鶴丸城(鹿児島城)御楼門(ごろうもん)」。島津氏の居城である鶴丸城の正門にあたる御楼門は、高さ、幅ともに約20メートルの巨大な門。「夜のライトアップは圧巻で、鹿児島の新シンボルです!」と藤﨑先生。

 

 

鹿児島県立加治木工業高等学校

〒899-5211 鹿児島県姶良市加治木町新富町131番地
WEB: http://www.edu.pref.kagoshima.jp/sh/kajiki-t/index.html

 

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