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2021年7・8月 No.530

第三者の「声」こそ、自身も生徒も向上させる!

大正12年に創立した群馬県立前橋工業高等学校。以来、地元に親しまれ、群馬県の工業教育の中心的な役割を果たしています。特筆すべき特徴のひとつが校舎です。「環境に配慮した工業技術者の育成を目指そう」をコンセプトにバリアフリー構造になっており、生徒の工業や環境に対する意識の向上を狙っています。今回、土木科の宮﨑拓也先生に座学で取り組んでいる工夫についてお話を伺いました。

「先生だって向上したい!」授業改良ヒントを生徒に聞く

座学と言えば、生徒は板書を一生懸命にノートに書き写す。そんな授業スタイルが、学生時代から好きではなかったという宮﨑先生。「自身が教員になったら、板書中心の授業は極力避けよう」と心に決めていたその思いは、教員になって19年が経つ今、さらに強まっている。教科書を参考に自作でワークシート形式の教材をつくったり、動画やスライドショーを活用したり。座学で生徒の興味を引きつける様々な工夫を行っている中でも、教員になったばかりの頃からずっと続けているのが、「振り返りシート」を使って生徒の「声」をくみ取ることだ。授業の単元が終わるごとや計算問題が多い時など、要所要所で行う確認テストとともに振り返りシートと呼んでいるアンケートを行い、授業を理解できたかどうか、理解できなかった場合はどこが理解できなかったのか、授業のスピードや進め方など授業に対する要望を書き込んでもらっている。

「生徒たちの理解度を図りたいという目的ももちろんありますが、自分自身の振り返りという側面もあります。ですから生徒には、『先生も授業もっと上手になりたいし、向上させたいからみんなの意見を聞かせて欲しい』と伝えています」

ざっくばらんに思ったことを書いてくれるというこのシートから、授業改良のヒントを得ているという宮﨑先生。それらを丁寧に振り返り授業に反映することで、勉強が好きな生徒にもそうではない生徒にもしっかりと寄り添っている。

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