FOCUS

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2021年5月 No.528

課題研究で集めた「橋梁点検」の調査データを校内で蓄積するだけなんてもったいない!

岩手県で最も古い工業高校として122年の歩みを刻む岩手県立盛岡工業高等学校。その伝統に甘んじることは一切なく、常に時代の先を見据えた教育を実施。現在では“Mプロジェクト(Moriko Mirai Project)”を掲げ、生徒たちの挑戦・変化・創造を目指しています。今回は、課外活動「橋梁点検」を通し、生徒たちに“変化”を導こうと取り組んでいる土木科・大友悠央先生にお話を伺いました。

『通学がしづらい』生徒の声から取り組み開始

開口一番、「普通科出身の私にとって、“課題研究”は特別。大好きなんです」と、目を輝かせる大友先生。普通科にはないその授業の魅力は、生徒や教員の声を反映させながらある程度自由に課題を設定し、それに向かって学習を進めていけるところにあるという。そんな課題研究の醍醐味を生かして、大友先生が2018年から取り組んでいるテーマは「橋梁点検」だ。寒冷地である岩手県では、アスファルト内の水分が凍結し、内側からの氷の圧力で道路が壊れていく“凍害”と呼ばれる被害がよく発生する。2018年は特に被害がひどく、全国ニュースになったことが取り組みのきっかけだった。

「生徒たちが登校で使う通学路も、ひどい有様でした。『通学がしづらい』という意見が上がり、どれだけひどいのか調べてみようということで、最初は道路の点検からはじまりました。学校の周囲には橋も多く、徐々に点検対象範囲を橋まで拡大。フィールドを道路から橋にシフトしていきました」

4月~夏までは、蓄積データを元に自主点検

先輩たちが蓄積したデータを元に、学校単体で劣化の進行度合い等を点検。「あまり進行してないね」「新しいひびができてる」など状態の経過を記録する

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