FOCUS

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2020年2月号 No.515

産学官民連携で取り組む課題研究 地元が一体となり地域の未来を支える人材を育成

現場見学で土木の魅力を直接感じ、座学では仕事に必要な能力を養う

■ ■ 先生が授業中に心掛けていることは何ですか?

自主性や主体性をもち、発言や行動ができる環境づくりを心掛けています。自分で考えながら発言や行動ができる力は、とても大切なものだと思っています。だからこそ、普段から考えて発言をするように、またそれが深い学びにつながるように、座学のときには質問の投げかけ方を工夫しています。発言することに慣れていない生徒や答えが分からない生徒には、情報を補足して発言を促したり、周りの生徒も巻き込みながら発言しやすい雰囲気づくりをしたりすることも。本校では地元企業の協力もあり、現場見学会やインターンシップなど実際の現場に足を運ぶ機会がたくさんあります。それは、「こんな大きなものをつくるのか!」と、土木の魅力に直接的に触れる貴重な機会です。そこに加えて座学は、仕事上に必要な能力を養う場だと考えています。社会で求められる“生きる力”を鍛えながら、目標をもち、自分で選択して将来へ進んでいける力を育てていきたいです。

■ 学校生活の中で、生徒たちにどのような経験をさせたいですか?

社会に出て必ず必要になる、コミュニケーション能力やプレゼン力を養う場を大切にしたいですね。本校では毎年夏休みに、少年少女科学体験スペース「O-Labo(オーラボ)」に出向き、生徒たちが先生役となって小学生に測量を教えたり、アーチ型の橋の模型に乗せて橋の説明をしたりしています。人前で話すことに緊張して、うまく説明できないこともありますが、「自分にはこういう面があるんだな」と知るいい機会になる。そうした経験は、就職活動先の面接で役に立つのはもちろん、社会に出たとき自分の意見を説明する場面で大いに力を活かせるはずだと考えています。

■ ■  生徒たちにとって、どのような存在でありたいと思いますか?

生徒たちが社会に出ても、いつでも相談に乗れる身近な存在でいたいと思います。生徒たちはまだ、未熟なところも多くある中、社会に出ているので、どのような悩みを抱えるかわかりません。なので卒業時には、「困ったときは連絡をしてほしい」と言っています。そうすると、学校へ訪ねて来て「ミスをしてしまって、周囲に迷惑をかけてしまった。明日から、どういう顔をして会社に行けばいいのかわからない」と相談してくる者もいます。そんなときには「若いうちだから知らないこともあるし、失敗することもある。失敗をして落ち込むのではなく、頑張る姿を見せられるようになることが、社会人には必要なんじゃないかな」と話をしています。「仕事を辞めたい」など親には話しづらいことも相談できる、もっとも身近な大人が高校の教員だと思っています。気持ちを秘めたままにならないよう、できる限りサポートしていきたいです。

座学の授業中には、自由闊達に意見が飛び交う3年生。社会基盤工学の授業では、答えに戸惑った生徒には周囲の生徒が自発的にヒントを出すなど、協力しながら学ぶ姿勢が印象的

 

 

大分県立大分工業高等学校

〒870-0948 大分県大分市芳河原台12番1号
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