FOCUS

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2019年12・2020年1月号 No.514

「わかった!」と自信を積み重ねて育みたいのは、 わからないことにも臆せずチャレンジする心

有事の最前線で活躍する土木自身の想いを生徒に託して

■ 生徒たちには、土木の魅力をどのように伝えていますか?

社会貢献性が高い仕事だと伝えています。災害が起きたときにも、最前線で動かなければならないのは、建設業に従事している人たちです。たとえば自衛隊が被災地に入るにしても、道路の整備をきちんとしていなければ、自衛隊も動くに動けません。折に触れ、有事の最前線で地域の方の生活を守る、大切な仕事だということを伝えています。

また、私たちが生活している四国には3つの大きな橋があります。特に明石海峡大橋は、世界最長の吊り橋です。この建設に欠かせない土木こそ、世界に誇る技術をもった分野なのだということをいつも話しています。私自身が土木の社会貢献性に魅力を感じ、大学では社会基盤の勉強をしてきました。生徒にも土木の仕事の社会に対する意義、重要性を伝えていきたいです。授業や現場見学会を通し、「社会に役立つ、大きなプロジェクトに参加したい」と言う生徒が出てきています。大きな夢をもち勉学に励む生徒の姿を見るのは、うれしいことです。

学校内で老朽化していた土壁。新たに擁壁製作をするため、ものづくりマイスター制度を活用し、型枠工事の実技指導を受けた

■ ■  先生が目指す教育の在り方とは?

実業校ですので、ほとんどの生徒が卒業後は就職します。つまり、社会に出る前の最後の学生生活を送る場所です。社会人になって振り返ったとき、高校での思い出がメインになるということを常に意識しています。そのため学業も大事なのですが、「学校が楽しかった」と思える場になるような環境づくりを第一に心掛けています。また、生徒たちが高校を巣立ち、建設業界へ身を置くことになったとき、新しい技術が導入され続けることでしょう。わからないこともたくさんあるかもしれない。そんなときでも臆せずにチャレンジできる、「やってみたら簡単だったよ!」といえる力を身につけてほしいと思います。

企業の協力の元、洲本城址(兵庫県洲本市)をドローンで測量し図面を作成。土木コースで山城模型を製作。洲本城の歴史などを地元の方にプレゼンテーションする予定

 

 

徳島県立つるぎ高等学校

〒779-4101 徳島県美馬郡つるぎ町貞光字馬出63-2
WEB:http://tsurugi-hs.tokushima-ec.ed.jp/

 

◎本誌記事の無断転載を固く禁じます。

 

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