特集

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2021年12月・2022年1月 No.534

新たな時代の転換期に見る 建設業の課題と展望

建設業こそ国を支える要。誇りを持って働ける産業へ。

佐々木 : 近年、激甚化する災害により、国土強靱化の取り組みや公共事業の重要性が改めて問われています。令和3年度の補正予算が決まり、令和4年度当初予算も編成されましたが、こうした予算の中でどのように反映されていくのでしょうか?

長橋 :  ここ数年で連続する災害の被災状況を見ても、国土強靱化の重要性は明白です。またインフラ全体の老朽化、新たなネットワークの構築ということを考えても、公共事業は当然必要なものになってきます。行政サイドとしてはしっかりと投資額を確保し、発注の際にもうまく平準化して執行できるように努めていきたいと思っています。

国土交通省公共事業費について、令和3年度の補正予算では、防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化計画として1兆672億円が計上され、令和4年度当初予算では、流域治水の本格的な展開や効率的な物流ネットワークの強化などを図るため約5兆円が計上されるなど、安定的な投資額が確保されているところです。また、令和3年度の補正予算では、公共発注者が建設キャリアアップシステムを確認できるよう、改修費用を確保しました。これは、平成31年4月から本運用が開始された建設キャリアアップシステムの普及を踏まえ、地方公共団体等で実施されているCCUSモデル工事、週休2日モデル工事等において、建設キャリアアップシステムの利用状況や週休2日の実施状況等の確認を可能とし、地域の守り手である技能者の働き方改革に繋げていくものとなっております。

佐々木 : 建設業に携わる方々は、まさに国を支える要の存在と言えますね。そうした方々へのメッセージも伺えますか?

長橋 :  かつて職人として働いていた方々には、その技術にしっかりと見合った賃金や処遇が提供されていたように思います。しかしバブルがはじけて以降、建設業全体がコストカットの方向に動いてしまいました。建設業や不動産業というのは、まさに国全体の基盤を造っていく産業です。いざ有事となった際には、現場で機材一つなければ復興・復旧にあたることができません。日本の安心を守る産業として、その経験とともにずっと引き継がれ、継承されていかなければならないものだと思います。そこで働いている方々が誇りを持って従事できる、そんな産業をいっしょに造っていきたいと感じています。

佐々木 : 大変良いお話を伺うことができました。本日はありがとうございました。

長橋 :  ありがとうございました。 

 

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