特集

特集
2017年5月号 No.488

CI-NET 建設業、電子化への展望

CI-NET導入企業に聞く

業務プロセス改革の一環としてCI-NETを導入
出来高請求処理の効率アップと精度向上を実現

◆株式会社フジタ
東京都渋谷区 「“高”環境づくり」をスローガンとした、総合建設業。

協力業者との共通プラットフォームとして、CI-NETを採用。
CI-NETの処理プロセス全体は、紙の時と大きく変えない。

まず、CI-NETの導入の経緯についてお聞かせください。

フジタでは早くから作業所と支店のオンライン化を進めており、1995年11月にはCI-NET立ち上げのパイロット作業所への導入から参画。2002年頃には本格的な運用に移行しました。

出来高請求業務を導入したきっかけを教えてください。


情報システム部 長嶋担当課長

出来高請求業務へのCI-NETの導入以前から業務プロセス改革の全社キャンペーンが進んでおり、その一環として、作業所の業務プロセス改革に活用しようという提案が社内から挙がったのです。そこで、2013年に一部の作業所で試験的に導入し、その成果を踏まえて2015年には全店に展開しました。

それまでの具体的な問題や解決課題には、どのようなものがありましたか。

1つ目は、紙の書類を作成した上でそれをデータ入力する、いわゆる二重入力のロスをなくそうということでした。そのための協力業者との共通プラットフォームとして、建設業界標準であるCI-NETを採用したのです。
2つ目は、精算プロセスの効率化でした。請求後の変更が発生するたびに手作業で対応していたのを、CI-NETによる自動変更処理で効率化しようと考えたのです。

紙文書と電子データの混在にはどのように対応していますか。

CI-NETの処理プロセス全体は、紙の時と大きく変えないようにしました。このため、業者から紙の請求書が来た場合は従来通り手作業で入力でき、なおかつCI-NETを使えばより省力化できる仕組みとする工夫をしたのです。

導入にあたり、社内や協力業者の教育などは行いましたか。

協力業者からの問い合わせ対応は、CI-NETサービスを行っているASPベンダーのサポートデスクに委託しました。各作業所へは建設部門から実施を通達し、導入前に支店の担当者を本店に集めて説明会を実施しました。

CI-NET導入後に得られた主なメリットや改善点を教えてください。

やはり大きいのは、二重入力やそれに伴う入力ミスの解消です。この結果、経理担当者によるチェックが非常に楽になりました。業務プロセス改革のための業務効率化や処理精度の向上という点では、期待通りの成果が出せたと考えています。また請求書の存在を母店と作業所の両方からシステム上で確認できるので、処理漏れなどをシステム上で簡単にチェックできるようになりました。さらに紙での見積書や注文書では記載しきれなかった細かな項目も、電子データならすべて入力されるので、精度の高い原価データ分析が可能になっています。

今後のCI-NET活用について、展望をお聞かせください。


情報システム部 近藤担当課長

これまでの例を見ると、現場のリーダーや協力会社がCI-NETに利用価値を感じているところは、やはり普及が速く進む傾向があります。情報システム部としても、社内の関連部署と連携しながら、まだ利用していない作業所や協力会社にCI-NETのメリットを積極的に知ってもらうように努めることで、各協力会社も含めた業務効率化や処理精度の向上を推進していきたいと考えています。

1 2 3 4

関連記事

しんこう-Webとは
バックナンバー
アンケート募集中
メールマガジン配信希望はこちら