特集

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2026年2月号 No 575

「労務費に関する基準」について

4 今後の展望

第三次・担い手3法の施行を契機として、賃金の原資を削った、いわゆるダンピングによる受注競争を撲滅し、適正な賃金の支払いとその原資の確保を前提とした、技術に基づく健全な競争環境への転換が必要である。

これにより、他産業並み以上の水準への処遇改善を実現し、実勢賃金の上昇が公共工事設計労務単価を更に上昇させる好循環が生み出され、建設業の技能者としての働き方が若者に選ばれる選択肢となることが期待される。

目指す姿の実現に向けては、建設工事の取引に関わる全ての当事者が、パートナーシップに基づき、それぞれの立場において担うべき役割を果たす行動変容が必要である。

特に、注文者においては、安易に安価な発注を行うことは、建設業の持続可能性を損なうという認識を改めて共有し、「建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度」を活用すること、受注者においては、労務費・賃金について「もらえないから払えない」「もらったら払う」といった従前の姿勢を抜本的に改め、「払うためにもらう」商慣行が確立できるよう、労務費を内訳明示した見積り等に主体的に取り組むことや、建設業界として、過度な重層下請構造の解消を含む総額としての建設コストの上昇を抑える努力が強く期待される。

国土交通省としては、今後も労務費基準の運用状況に係るフォローアップを実施し、必要な施策をアジャイルに講じていく。

 

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