特集

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2024年11月号 No.563

建設業バックオフィスにおけるDX

2 バックオフィスDXを支える環境の整備

建設業のバックオフィスを支える環境整備としては、(一財)建設業振興基金が運営し、本誌でも定期的に取り上げられているCCUS(建設キャリアアップシステム)や、2023年6月号(No.549)に掲載されたCI-NET(建設業界のEDI標準)が代表的です。またCCUSについては、建退共とのデータ連携や、CCUSを用いた施工体制台帳等の電子化についても環境が整備されており、バックオフィスの業務効率化を支えています。

以下では、上記以外のDXを支える環境整備として知っておきたいもののうち、代表的なものについて紹介します。

デジタルインボイス

インボイス制度については、2023年6月号(No.549)で解説されていますが、デジタルインボイスとは、標準化・構造化された電子インボイスのことです。

近年、請求書をPDFに変換し電子メールで送信する形での「電子化」は増えていますが、デジタルインボイスはデジタルデータでの請求書(インボイス)の発行・受取が可能な手段として、デジタルインボイス推進協議会(EIPA)が策定しています。この際、欧州各国等で使用されている国際的な標準仕様であるPeppol(ペポル)を採用しています。

建設業のバックオフィスにおいても、これまで紙で運用していた請求書に関する業務をすべてデジタルで完結できるようになりますので、今後デジタルインボイスの普及が進むことで業務の効率化に大きく資するものであるといえるでしょう。

JIIMA認証制度

JIIMA認証制度とは、(公社)日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が市販されているソフトウェアやソフトウェアサービスについて電子帳簿保存法(電帳法)の要件を満たしていると判断したものを認証する制度です。JIIMA認証を取得したソフトウェア、ソフトウェアサービスを適正に使用することで、電帳法を深く把握していなくても法令に準拠した業務処理を行うことができます。

認証されたソフトウェアについては、JIIMAのサイト上で「認証製品一覧」として公表されています。導入しようとしているソフトウェアがJIIMA認証を受けているか確認したほうがよいでしょう。

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