特集

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2024年11月号 No.563

建設業バックオフィスにおけるDX

音声認識技術

音声認識技術は、音声からテキストデータへ自動で変換してくれる技術です。従来バックオフィス部門では、会議の音声をICレコーダーで録音し、その音声を聞きながら(もしくはテープ起こしの業者に発注して)議事録を作成するような作業を行っていましたが、音声認識のソフトを使用することでその労力を削減することができます。

またそれだけでなく、キーボード入力よりも簡単かつ迅速にデータを記録できるというメリットを活用し、現場での記録を手書きのメモではなく音声の録音で行い、それを後にテキスト化したり、報告書やメールなどの文書作成を音声認識で行うことで作成にかかる時間を削減するといった使い方が考えられます。

顔認証技術

顔認証技術は、映像や画像の中から人を判断する技術です。その性質上、物理的な鍵やパスワードによる認証に比してなりすましが極めて困難な認証方法であるのに加え、一般的なwebカメラがあれば利用可能なため、導入のハードルが低いことも特長です。

建設業においては作業員の入退場管理に活用されており、GPSの位置情報と組み合わせて入退場管理業務の効率化に活用されています。

またCCUSとのデータ連携により、現場で記録した入退場データを就業履歴としてCCUSに登録することも可能です。

CCUSとの連携まで可能な主なサービスとしては、NECの建設現場顔認証入退管理サービス・建設現場顔認証 for グリーンサイトがあります。

生成系AI

生成系AIとして最も有名なのはOpenAIが開発したChatGPTです。大規模言語モデル(LLM)のデータを元に、入力された質問に対して自然な回答を出力してくれます。ビジネス文章の要約や翻訳、メール文章の作成といった作業の省力化に有用ですが、学習データのノイズやバイアスを除去しきれていなかったり、学習データにない未知の質問であったりすることで、正しい回答とならないことがあるため、注意が必要です。

また、現時点では少数ではあるものの、大手ゼネコンでは建設業のデータ・ツールに特化させたLLMを導入・運用する事例も少しずつ増えてきており、今後ますます生成系AIの活用は進んでいくことが予想されます。

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