特集

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2024年6月号 No.559

建設業法及び公共工事入札契約適正化法の改正について

【はじめに】

建設業は、社会資本の整備・管理の担い手であるとともに、災害時における「地域の守り手」として国民生活や社会経済活動を支える極めて重要な役割を担っています。一方、他産業と比較して厳しい就労条件を背景として就業者の減少が著しく、建設業がその重要な役割を将来にわたって果たし続けられる「持続可能な建設業」を実現するために、担い手の確保に向けた取組を強化することが急務となっています。また、昨今の急激な資材価格の高騰を受けて現場技能者の賃金の原資となる労務費等がしわ寄せを受けないよう、高騰分の適切な価格転嫁が求められているところです。

このような状況を踏まえ、中央建設業審議会※1の下に設置された基本問題小委員会において、昨年5月から9月までの間に計5回の審議が行われ、①請負契約の透明化による適切なリスク分担、②適切な労務費等の確保や賃金行き渡りの担保、③魅力ある就労環境を実現する働き方改革と生産性向上について、早急に講ずべき施策を取りまとめた「中間とりまとめ」が策定され(参考1)、法律の改正が必要な事項について、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案」(以下「改正法」という。)により法制化することとしました(参考2)。

改正法においては、建設業がその重要な役割を将来にわたって果たし続けられるよう、現場の担い手の確保に向けた対策として、「賃金引上げなどの処遇改善」「資材高騰による労務費へのしわ寄せ防止」「労働時間の適正化による働き方改革及び現場管理の効率化等による生産性の向上」を促す措置を講じることとし、同法は原則としてその公布の日から1年6ヶ月以内に施行される予定です。

  • ※1…発注者(デベロッパー)・受注者(建設業者)・学識者の代表により構成された会議体。

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