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経済動向

経済動向
2019年11月号 No.512

インフラ点検技術 定期点検要領の改正でロボットが主役に

道路橋などに義務付けられた定期点検が2019年3月で一巡した。膨大な業務量となった一巡目のインフラ点検では、インフラ管理の現場に大きな負担をもたらした。そのため、二巡目の点検に向けて、作業の合理化を図れるような取り組みが続々と現れている。

定期点検の中でも、インフラ管理者などにとって負担が大きい作業が近接目視だった。そこで、国土交通省は2019年2月に道路橋やトンネルの定期点検要領を改定。近接目視の代わりにロボットを使うことが認められるようになった。

ここではまず、これまでに点検でロボットを試験的に導入した事例から、その効果などを見ていく。例えば、全国で初めて定期点検にロボット技術を本格活用した各務原大橋。岐阜県内に架かる同橋は、2013年に完成した橋長594mのプレストレスト・コンクリート10経間連続フィンバック橋だ。

橋の点検に用いたロボットは、飛行して写真を撮るドローン系2機種と、アームを伸ばして遠隔で撮影するロボットカメラ系2機種、打音点検飛行ロボット2機種の合計6種だ。ロボットによるひび割れの調査では、幅0.3mm程度のひび割れは、ほぼ問題なく検出できた。

クモの巣などとひび割れを誤認するケースが存在したものの、構造物の健全度の判定に影響を及ぼすほどの間違いはなかった。さらに、各務原大橋における取り組みでは、変状の情報を橋の3次元モデルと結び付けた。

鳥取県では点検ロボットの活用に向けて、ロボットのタイプ別に適用範囲や積算基準を定めた。その結果、従来のように総足場を組んで点検すれば3億円を要するものの、ロボットを活用すると7800万円で済む橋があると分かった。近接目視の場合は、打音検査時に損傷箇所をたたき落とすような作業も可能なので、単純な比較はできない。それでも、費用のメリットは小さくない。

千葉県君津市は19年度の定期点検から近接目視の代わりにドローンを採用する。市の職員が直営でド
ローンを使いこなせば、点検に要するコストを5年間で5000万円近く削減できるからだ。

 

技術カタログで性能を表示
モニタリング技術の公募を始める

冒頭に述べた国交省による定期点検要領の改定は、点検方法を一律に定めず、管理者が工夫できるようにした。近接目視と同等の性能を期待できるのであれば、インフラの健全性を診断する技術としてロボットなどを使えるようにしたのだ。

新しい技術の性能などを分かりやすくするために、国交省はドローンやロボットカメラなど点検に使える技術の性能をまとめた「点検支援技術性能カタログ」を用意した。国が管理する施設で仕様を確かめた技術の性能を掲載している。さらに国交省は、受注者と発注者の双方が技術を確認するプロセスや留意点などをまとめた「新技術利用のガイドライン」も整備している。

近接目視を減らすもう1つの手法として注目されているのがモニタリングだ。構造物の傷み具合をセンサーなどで計測・管理する方法を指す。国交省では19年度にモニタリング技術の公募を開始。性能を検証した後、早ければ20年度の定期点検から使えるようにする。

 

定期点検にドローンを活用した各務原大橋(写真:岐阜大学)

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