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経済動向

経済動向
2019年4月号 No.507

自由貿易協定推進、日米貿易協議など通商政策の重要課題解説

2018年は米中貿易摩擦をはじめ、世界の通商情勢から目が離せない状況が続いた。今年も引き続き、世界経済や企業の事業環境に大きな影響をもたらしかねない通商情勢には、注意が必要である。そこで今回は、メガFTA(自由貿易協定)の推進、WTO(世界貿易機関)改革、日米貿易協議など、通商政策に関わる重要課題について解説する

自由貿易協定推進への取り組み

メガFTAへの日本の取り組みにおいて、18年には大きな成果があった。米国の離脱により漂流の危機に陥ったTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を、残る11カ国によるCPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定、TPP11協定)として結実させるために、日本は中心的な役割を果たした。さらにCPTPPについては、にあるように、参加に関心のある国・地域が幾つもあることも重要だ。 

一方でRCEP(東アジア地域包括的経済連携)については、自由化とルールの両面でその水準はCPTPPには及ばないものの、実現すれば、世界人口の約半分がカバーされ、日本としていまだEPA(経済連携協定)を締結できていない中国・韓国が含まれるため、この実現の意義は大きい。ただし、実際の交渉面では、依然としてハードルが高いのが実情である。

厳しい交渉が予想される日米貿易協議

WTO改革は、新たな貿易投資環境への対応と、WTO機能の改善の観点から重要であり、日本が議長国となる今年のG20首脳会議でも大きな課題となる。現在、日本、EU、米国の三極がWTO改革を主導している。これは、WTO脱退の可能性にまで言及する米国の関与を確保すると同時に、中国を想定した対抗措置の側面も有している。

そして日本にとって今年最大の問題は、日米貿易協議であり、これは厳しい交渉となることが予想される。この点で注目すべきはUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)である。これは、米国が18年11月30日に署名した新しいNAFTA(北米自由貿易協定)であり、今後、米国はUSMCAをひな形として、日本との交渉に臨むとみられる。は、USMCAにおける合意事項の例であり、自動車・同部品に関し、これまでになく厳格な原産地規則や、サイドレターの形で事実上の輸入数量規制が盛り込まれた。また、米国の自動車業界の要望を背景に、いわゆる為替条項も導入された。日本としても、自動車を中心とした数量規制と為替条項に関しては、今後の交渉で最も警戒すべき項目となる。19年は米国の金融政策の転換に伴う円高圧力に加えて、通商問題に伴う円高圧力も加わる不安がある。同時に、自動車分野は日本の競争力の最後の聖域でもあるため、交渉は日本経済にとって生命線といえる。

マクロ政策的に、日本には、金融財政ともに対応余地がほとんど残っていないのが実状だ。こうした中、日米貿易交渉によって、為替を中心に米国からの円高圧力への防波堤を築くことは、日本にとって最大の国益となる。

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