経済動向

経済動向
2017年4月号 No.487

東京五輪に期待される日本のアピール

2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックについては、施設整備などの直接効果に加え、都市インフラ整備などの付随効果もあり、大きな経済効果が期待される。また、東京五輪は日本の魅力を発信する好機でもある。今回は、東京五輪の経済効果と、大会後を見据えた取り組みのあり方について解説する。

東京五輪の経済効果は約30兆円

東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う経済効果を当社が試算した結果、直接効果に加え、付随効果も
含めた経済効果は約30兆円となった(図1)
大会にかかわる直接効果は約2兆円にとどまるが、都市インフラの整備や観光需要の増大などから付随効果が約28兆円になり、雇用誘発効果は延べ300万人に上る。
ただし、東京オリンピック・パラリンピックはあくまでも通過点であり、真に求められるのは大会後を見据えたレガシー(将来に向けた成長基盤)の構築にあるといえよう。また、海外からの観戦者やメディア、インターネットを通じて、開催国であるわが国の魅力を世界に向けて発信する貴重な機会、展示場でもある。

図1 東京オリンピック・パラリンピック開催に伴う経済効果の概要

五輪を通じ、先進モデルを世界に呈示

また、IMF(国際通貨基金)の世界経済見通し(2016年10月時点)に基づく当社の訪日外客数の試算では、2020年には約3,600万人に達し、政府が掲げる2020年の訪日外客数4,000万人達成は射程圏内になる。開催決定前のトレンドでは2020年で1,800万人くらいであったことから、約1,800万人上振れしている(図2)
さらに、1964年と2020年の東京五輪で期待されるレガシーを比較すると、図3の通りとなる。1964年大会では東海道新幹線や高速道路などのインフラが整備され、高度経済成長の礎となった。また、大会を契機に外食や家電といった新たな産業が勃興した。
一方、2020年大会は、バブル崩壊という「第2の敗戦」からの「第2の復興」を、世界にアピールするいい機会になる。また、1964年大会のレガシーが、ハード面でのインフラ整備が中心であったのに対し、2020年大会は、成熟化した高齢化社会に向けたソフト面での先進モデルを世界に示す場となる。
高齢化社会のフロントランナーである日本が、パラリンピックを通じて、高齢化社会の先進モデルや共生社会の在り方を世界に示す意義は、予想以上に大きいといえよう。

図2 訪日外客数の推移と試算

 

図3 1964年東京大会のレガシーと2020年東京大会で期待されるレガシー

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