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2021年3月 No.526

「終わらない現場はない」安全で快適な社会を支える“道しるべ”に想いを込めて

「終わらない現場はない」
安全で快適な社会を支える
“道しるべ”に想いを込めて

登録標識・路面標示基幹技能者
株式会社アークノハラ
長谷川 聖士(はせがわ きよひと)さん
1981年2月生まれ 
埼玉県出身

ドライバーに行き先を示し、適切な走行や注意喚起を促す道路標識は、交通網の発達した現代社会に欠かせない存在だ。そんな安全・安心の“道しるべ”を設置する道路標識・標示業もまた、私たちの暮らしに無くてはならない仕事といえる。「普段なにげなく目にする標識でも、工事の際に地上に下ろしてみると『そんなに大きいんだ!』と周りの方が驚かれたりします。高速道路であれば、大きなものだと3LDKほどのサイズの標識などもありますね」。そう話すのは、首都圏を走る高速道路や人々の生活を支える一般道など、様々な現場で活躍する長谷川聖士さん。現在は主任技術者として、円滑な工事に向けた作業計画や交通規制計画の勘案、現場の施工管理などを行う立場だ。「発注者と協議しながら計画を固め、道路管理者や警察への規制許可などを経て、ようやく工事に着手できます。ドライバーが見やすいよう現場に応じた調整や工夫も大切。取り付け後も入念にチェックします」。

各関係先との連携や現場ごとに異なる作業環境への対応など、難しい場面に出くわすことも少なくないと想像するが、長谷川さんの表情は明るい。「以前は現場の進捗が滞った際に不安を感じることもあったんですが、“終わらない現場はないよ”と先輩に声をかけていただいて。その言葉に背中を押され、様々な要因で止まっていた現場も進めることができました。たとえ困難な仕事であっても着実に取り組むことでやり遂げられる、ということは自身の励みにもなりました」と長谷川さん。「今は共に現場に臨む仲間としっかりコミュニケーションを図りながら、みんなが納得できるよう話し合ったり、新しいアイデアや技術も柔軟に取り入れて仕事を進められるよう努めています」。

この仕事の魅力をうかがうと「やったことがしっかりと目に見えて、形に残ること。チームで取り組む仕事でもあるので、多くの人が関わる案件であるほどやり遂げたときの達成感も大きく、“やってよかった”と感じます。自分が付けた標識の前を通るたび、携わった当時の記憶がよみがえるなど、感慨深いものがあります」と笑顔を見せる。「老朽化した標識などを新たに付け替えることで『見やすくなったね』と言ってくれる方もいます。手がけたものが人の役に立っていると感じる瞬間は、やっぱりうれしいですね」。

登録標識・路面標示基幹技能者資格をはじめ多くの資格を持ちつつ、さらなる資格取得にも励んでいる。「資格を持つことで仕事の幅が広がり、より安心して仕事を任せてもらえるようになります。しっかりと信頼され、人に憧れられる人間になりたいですね」と抱負を語ってくれた長谷川さん。その手は今日も、人々の安全で快適な暮らしを担っている。

 

 

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