FRONTIER

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2025年9月号 No 571

「地域にも子どもにも胸を張れる仕事!」地元・北海道の暮らしを支える若き現場代理人。

建設の最前線へ!

小林こばやし 天道v(てんどうさん
宮坂建設工業株式会社
北海道出身

力強くも正確に掘削を行うICTバックホウや、流れるように土や砕石を運び出していくダンプが活躍を見せる土工事の現場。その現場を見守りながら職人たちと密に連携し、巧みに指揮をとっているのが、現場代理人の小林天道さんだ。

地元・北海道でスケールの大きな仕事に挑戦したいという思いから、就職先として選んだのが北海道帯広市に拠点を構える宮坂建設工業株式会社だった。「高校の先生に勧められたのがきっかけですが、地域貢献に積極的な姿勢にも強く惹かれました。現在も地域の方々や子どもたちを招いて現場見学会を開くなど、地域に寄り添う姿勢は一貫しています」。入社から6年は、農業用地の区画整理工事や河川の築堤工事、道路工事など、幅広い現場を経験。そして7年目からは、現場代理人として工事を任されるように。「朝礼後は現場の巡視に出て、ダンプの通行に支障がないか、近隣の皆様の交通を妨げていないかといったことを確認します。大規模な工事ほど、地域の方の理解が不可欠です。丁寧な事前説明はもちろん、工事期間中も安全な暮らしを守るために最大限配慮することが大切です」。事務所での書類作成を挟みつつ、日中は現場を何度も往復。「似たような工事でも、まったく同じ現場はありません。状況は日々変化するため、実際に現場を訪れたり、ライブカメラを通して判断するなど、常に現場を把握しておくことが重要です」。

現場代理人として最も重視しているのがコミュニケーションだ。「自分にはまだまだ経験や知識が足りない部分があるので、諸先輩やベテランの方と話す機会を積極的に設け、多くのことを学んでいます。現場で話しやすい雰囲気をつくることは、事故防止にもつながります」。リーダーとしても、チームが意見を言いやすい環境づくりに努めている。

完成した構造物を地域の人々が実際に使っているのを目にする時、やりがいや誇りが湧いてくる。「休日に現場代理人として担当した構造物を子どもと一緒に見に行った際に、“ここはお父さんが造った場所だよ”と伝えると、“すごいね”と褒めてくれて、嬉しかったですね(笑)」。地域にも子どもにも胸を張れる仕事をしているという実感が、毎日のモチベーションにつながっている。

今後はより多くの工事を経験し、得た知識や技術を次の世代へ伝えていくことが目標だ。「ICT施工も進んできましたが、企業によって技術レベルには差があるため、よりICT技術を活かすためにも、業界全体で一定のレベルまで共有できるようになればいいなと思っています」と、業界全体を見据えた思いを語る。また、これから建設業界を目指す若者たちへのメッセージも伺った。「建設業はきついイメージがあるかもしれませんが、今はICT建機なども充実し、働きやすい環境が整いつつあります。インフラがなければ人は安心して暮らせません。ぜひ、暮らしを支える仕事に挑戦してみてほしいですね!」


宮坂建設工業株式会社
代表取締役社長
宮坂 寿文 氏

建設業界では少子高齢化による担い手不足が深刻化しています。この課題に対し、重要インフラを支える地域の守り手として持続的に発展するため、建設DXの導入により生産性向上とワークライフバランス改善に全社で取り組んでいます。また、「地域防災訓練」や「親子防災教室」などを通じて建設業の社会的使命と魅力を発信し、特に若い世代の理解促進の機会を創出して若年者入職を図っています。今後も建設業の役割と魅力を積極的に発信し、世の為人の為に持続可能な社会実現に向けて責任を持って取り組みを継続します。

建設人材育成優良企業表彰『優秀賞』を受賞

 

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