連載

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2020年12・2021年1月 No.524

建設業には夢がある──誇りを胸に新たな挑戦を続ける熱絶縁工事のエキスパート

建設業にはがある──誇りを胸に
新たな挑戦を続ける熱絶縁工事のエキスパート

登録保温保冷基幹技能者
ナイガイ株式会社
人長 広樹(ひとおさ ひろき)さん
1981年2月生まれ 
宮崎県出身

「建設業って、夢のある仕事だと思うんです」。そう話すのは、ナイガイ株式会社で働く人長広樹さん。建物をつくるのに欠かせない熱絶縁工事のエキスパートだ。海上プラントから都心の超高層ビルまで、あらゆる現場に携わり研鑽を積んできた人長さん。「いろんな経験を通して、どんな現場にも幅広く対応できる力が身につきました」と自身の強みを語る。近年では新国立競技場の建設にも携わった。「日本中が注目する大きなプロジェクトに参加したいという思いがあったので、とてもいい経験になりました。“この仕事をやったんだ”と友人たちに自慢できるような事業に関われることも、建設業の醍醐味ですね」と話す人長さんは、2020年度の建設マスター(優秀施工者国土交通大臣顕彰)を受賞するなど、その実力も折り紙付きだ。

職長として現場に入る際には「まず現場を隅々まで見て、仕事の全体像から細かな作業までを頭の中でシミュレーションし、ケガに注意するべき箇所や工程を事細かにチェックする」ことを習慣化している。常に意識しているのは、徹底した安全への想いだ。「未経験で入職した自分に、安全性の大切さについて先輩たちが真剣に教えてくれました。しっかり教わり学んできたことが今につながっています」と話し、現場でも小まめな声がけを欠かさない。若手への指導についても「適度に見守りながら声をかけ、コミュニケーションをとることが大切」と感じ、「肩ひじ張らずに話せるけど、仕事は真面目に。そんなメリハリのある現場で若手が育ってくれたら最高ですね。日本の若手だけでなく、海外から来る意欲の高い実習生たちもしっかり育っていけるよう力添えしていきたいです」と笑顔を見せる。

また指導する立場であっても「技術面も含めて、周りのいいところはこれからもどん欲に吸収していきたい」と向上心も忘れない。2019年には自ら志願して登録保温保冷基幹技能者資格を取得。「まだ人がやっていないことや、全く新しい仕事にワクワクするタイプ」と語るとおり、新しいことに挑戦する気概は人一倍強い。

「建物って、そのもの自体が街の目印になったり、写真の被写体になったり、観光地になったりするもの。そうしたものをつくれる仕事って、ほんとうに夢のある仕事だと思うんです。建物だけでなく、道路や橋や街づくりなども、みんなで力を結集してひとつの“夢”をつくっていく作業。そんな建設業の魅力を、一般の方やこどもたちにも伝えていきたいですね」。少年のように瞳を輝かせて話す人長さん。その夢と挑戦は、尽きることがない。

 

 

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