連載

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2020年4月号 No.517

豊富な経験と専門知識が武器 職人たちを指揮する現場の旗頭

 

豊富な経験と専門知識が武器
職人たちを指揮する現場の旗頭

登録基礎工基幹技能者
丸泰土木株式会社
佐々木 竜也(ささき たつや)さん
1972年1月生まれ 
宮城県出身

見上げるほどの大型クレーンや杭打機が並ぶ建設現場に、活気ある声が飛ぶ。職人たちの動きに細やかに目を配り、基礎工事を取り仕切る佐々木竜也さん。丸泰土木株式会社に勤めて28年。施工計画をもとに工程から品質、安全に至るまでを管理する、現場をコントロールするエキスパートだ。

建設業を営む父の背中を見て育ってきた。「建設業界に入った頃は、現場で働こうとは思ってなかった」と語るとおり、当初は経理担当として入社した異色派だ。しかし研修の一環として現場に出た瞬間、その想いは一変する。「小さな頃から好きだった重機や建設機械が活躍する様子に、目を奪われました」。

その後、自ら望んで現場に転属。周りのベテランたちに鍛えられながら着実に経験を積み、現在は若手を指導する立場に。「自分ができないことは、相手にうまく教えることはできない」という思いから、仕事に関する様々な免許を取得した。技術と技能、どちらの専門知識も兼ね備えた、皆から頼りにされる存在だ。

南本牧ふ頭の建設、液化天然ガスタンクの建設など、日本全国から海外まで数多くの現場で活躍。どんな現場においても大切にしているのは安全の徹底、そして職人たちの笑顔だと語る。「やるべきことは手を抜かずやる。その中でも笑いのある、明るくメリハリのある現場づくりが大事だと思っています」。

様々な職種のプロが集う現場で指揮をとっていくには、豊富な経験と知識量がものをいう。2012年に『登録基礎工基幹技能者』を取得したことは、現場を取りまとめる力になっているという。「経験や知識量の証明になるので、相手の見方や聞き方も変わりますね」。関係先との協議や調整の際にも意見が取り入れられる場面が多く、厚い信頼を寄せられている。

「自分が携わった計画や工程がぴたりとハマってスムーズに完了した瞬間はなんとも言えない達成感があります」と仕事の醍醐味を語る佐々木さん。若者たちへのメッセージを伺ったところ「“人間がこんなにすごいものをつくれるんだ!”と感じる、とてもやりがいのある仕事。建設業は今後もなくなることのない必要とされる仕事なので、若い人たちもどんどん業界に入ってきてほしいです」と返ってきた。数多くの現場を経験しながらも「まだ行ったことのない場所や難しい現場にあえて挑むのが好き」と語る目は、登録基礎工基幹技能者としての熱意と好奇心に満ちている。

 

 

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