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連載

連載
2020年3月号 No.516

PROFESSIONAL 辞めようと思ったことはない 建築塗装のおもしろさ

辞めようと思ったことはない
建築塗装おもしろさ

登録建築塗装基幹技能者
有限会社 長谷川塗装工業所
遊佐 恵一(ゆさ けいいち)さん
1969年1月生まれ 
神奈川県出身

建設中の都内某所巨大なオフィスビル。内壁の塗装現場で、若手塗装職人の作業を指揮しているのは、神奈川県の(有)長谷川塗装工業所に勤める遊佐恵一さんだ。所属する14人の職人のまとめ役として、さまざまな現場を仕切っている。大規模な商業ビルや公共施設、重要文化財の修復まで、その範囲は幅広い。

塗装の仕事に就いたのは17歳のとき。内装業を営む父の手伝いで訪れた保育園で、塗装職人が手を動かすたびに下駄箱が美しくなっていく様子に面白さを感じたのがきっかけだ。すぐに、その塗装職人の元に弟子入りし、職人としての第一歩を踏み出した遊佐さん。最初のうちは下働きの毎日だ。「塗装に使う刷毛は、今は使い捨てだけど、昔は洗って何度も使っていたんです。もちろん洗うのは新入りの仕事で、現場に一番早く入って準備するのだけど、冬場は水が冷たくてね。他にもパテ塗り後のペーパーがけとか、汚れる作業は全部僕の担当で。辛かったけれど、辞めようとは思わなかった。自分で決めたことだったからね」。

下働きをしながら経験を重ね、5年ほど経つと徐々に塗装作業を任されるように。そして気付けば、そのキャリアはもう30年以上。塗装に関するいろいろな作業の中では、「下地づくり」が一番難しく、でも楽しいと笑う。「塗装で一番大事なのは、実は『土台』を整えること。建物にとって塗装は『化粧』だけど、下地が良くなければ化粧の乗りは良くならないんです」。

10年ほど前からは、作業を若手に任せ、その現場を管理する立場にシフト。平成28年には、登録建築塗装基幹技能者の資格も取得した。「管理する際、一番注意するのは『安全』です。今回のような大きな現場では、建設会社だけでなく、前工程・後工程を担当する職人や、自分たち以外の塗装業者とのコミュニケーションも大事。現場がスムーズに進行するように、周りの職人たちと話し、現場全体の進行を調整するのが、登録建築塗装基幹技能者としての、僕の仕事なんです」。

そんな遊佐さんに、あらためて建築塗装の魅力を聞いた。「建築塗装の面白いところは、塗料の調合からパテを使っての下地づくり、そして塗装作業まで、『1から10まで全部自分でできるところ』だと思うんです。特に、規模が小さめな現場では、作業の段取りから、ペンキの調合まで、全部自分のペースで進めることになる。臨機応変な対応も多くなるけれど、職人としては、むしろ面白いよね」。登録建築塗装基幹技能者としての仕事を熱く語りながら、時折見せる「塗装職人」としての表情に、その矜持が見えた。

 

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