連載

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2018年9月号 No.501

社長の責任! 従業員のための就業規則 〜雇用形態に合わせた有給休暇〜

本シリーズは中小建設産業の働き方改革を成功に導くため、働いていて楽しい職場を作り、生産性を高める「就業規則の整備」の推進を目的として、大都市の郊外にある老舗建設会社(従業員50名)を舞台とした従業員の会話形式で就業規則に関する疑問やポイントを説明します。
※就業規則は、労働基準法では常時雇用する労働者(正社員・契約社員・パート)が10人以上の場合、就業規則を作成して労働基準監督署への届出が必要とされています。

原案作成 手島 伸夫

一部上場建設会社に34年勤務して、社長室次長、ISO品質保証システム部長を歴任。中小企業診断士、社会保険労務士、1級土木施工管理技士

スクリプト 廣津 栄三郎

一部上場建設会社に37年勤務して、技術営業部長や関連会社の社長を歴任する。技術士、測量士、工学博士        


ある日の社長室での会話

和歌三社長
6月29日に「働き方改革関連法」が成立したね。
石頭部長
我が社は就業規則もちゃんとしているし、問題なのは残業時間の管理ぐらいです。5年後までに残業時間を年間720時間以内に収める体制にすれば良いわけです。
和歌三社長
そうか・・・他にも問題があるかもしれない。ちょっと事務方に聞いてみよう。
石頭部長
☎賢説課長、ちょっと聞きたいことがあるので急いで社長室に来てもらえるかな。
和歌三社長
賢説課長、「働き方改革関連法」が成立したことで、会社として気をつけることは残業時間だけで良いのかな?
賢説課長
残業時間の軽減も必要ですが、私が気になっているのは、有給休暇の件です。
石頭部長
有給休暇!?そんなの取る社員なんて、やる気が感じられないな。
賢説課長
石頭部長、それは偏見ですよ! 大切なのは、社員一人一人の働くこと(ワーク)と生活(ライフ)を大切にして、みんなが楽しく働ける環境を整えていくことです。
和歌三社長
そうか、取り急ぎ検討することはあるかな?
賢説課長
はい、社長! まずは就業規則が法律に沿っているかを確認する必要があります。 社員の有給休暇取得日数によっては、企業側に罰金が課せられる場合があります。

ポイント1

「働き方改革関連法」では、10日以上の有給休暇が付与される労働者に対し年次有給休暇を最低5日消化させることが、2019年4月より企業に義務付けられ、達成できなければ、働き手1人あたり最大30万円の罰金が課せられます。
(※表:所定労働日数・時間と有給休暇日数参照)

石頭部長
なんだ、そんなことか。それだったら、有給休暇で夏休みと冬休みを取らせよう!
賢説課長
問題は、パートや日給月給の社員も有給休暇を消化しなければなりません。
石頭部長
おいおい、そんなこと初めて聞いたぞ!
賢説課長
パートや日給月給を含めた労働者の有給休暇は「労働基準法39条」で定められています。

ポイント2

採用日から数えて6ヶ月間労働契約が継続し、その全労働の8割以上出勤した労働者に対して、最低10日間の年次有給休暇を与えなければならない。ここで、注意点は「労働契約が継続し」というのは、1年契約を3回更新すれば「実態として3年以上継続している」と見なされ有給休暇も増加させていくことが必要になるということです。 (※表:所定労働日数・時間と有給休暇日数参照)

和歌三社長
賢説課長、そこは重要だね。この件については君に任せるから、きちんと対応を頼んだよ!

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