FRONTIER

FRONTIER
2026年7・8月号 No 580

「“わからない”は徹底的に深掘り!」北の大地で若手を引っ張る、施工管理者の挑戦。

建設の最前線へ!

加賀美かがみ 瑠伍りゅうごさん
株式会社生駒組
北海道出身

「自分が携わったものが形として残る。そんな仕事に魅力を感じました」。創業から100年以上にわたり、北海道旭川市を拠点に地域の発展を支えてきた株式会社生駒組。高校時代に“橋の生駒”という高い評判を耳にして、同社への入社を決意したのが加賀美瑠伍さんだ。入社から8年、土木施工管理技術者として道路や河川、砂防など多彩な現場の最前線に立ってきた。

加賀美さんにとって大きな成長の転換点となったのは、ある橋梁の下部工事現場だった。「交通量が多いほか、周辺には住宅地もあり、近隣住民の皆様への細やかな配慮と精度の高さが求められる工事でした。限られた工期の中で協力会社の皆様と入念に打ち合わせを重ね、当時の所長とも毎日のように工程会議を行うなど、施工管理の本質を深く学ぶことができた現場です」。そうした現場を乗り越えられた背景には、上司からの忘れられない言葉があった。「入社してまもない頃、“とりあえず指示通りに動けばいいか”と考えていた時期がありました。その時に上司から、“わからないことをそのままにしないように!”と諭されたんです。現場でやることには全て意味がある。一から十まで理解して仕事に向き合うことの大切さを教わりました」。以来、疑問があれば即座に資料を調べる、詳しい人に聞くといった仕事の癖を身につけた加賀美さん。現在も先進機器などを扱う際には社内のDX推進室やメーカーに直接問い合わせるなど、仕事に一切の曖昧さを残さない姿勢を徹底している。

加賀美さんの強みは、綿密な工程管理と関係業者とのコミュニケーション力だ。北海道ならではの寒冷地施工では、このスキルが最大限に発揮される。「コンクリート施工では気温4度以下の際の厳格な温度管理や特有の養生方法が求められるほか、冬の激しい降雪や3月半ばの雪解けによる河川増水といった自然の脅威も伴います。これらを見越して作業の優先順位を見極め、余裕を持たせた工程計画を構築する必要があります。現場の職人さんや資材業者の皆様と緻密な打ち合わせを重ねることで、厳しい環境下でも確実な品質と安全を確保しています」。

30代以下の技術者比率が6割以上に達する、業界でも異例の組織構成を持つ生駒組。加賀美さんはそうした若手を育成するメンターの役割も担っている。「一方的な指導ではなく、雑談も気軽に交わせる話しやすい雰囲気づくりを重視しています。人によって理解の仕方は違うもの。一つひとつを丁寧に教え、“わからない”ことは徹底的に深掘りさせるよう努めています。また、ときには思い切って仕事を任せることも大切。はじめて任せるときには不安もありますが、かつての上司も同じ気持ちで自分に任せてくれたはず。そうした経験を、次の世代にも繋げていきたいと思っています」。

今年度から現場代理人となり、工事を取りまとめていく立場に。「決して楽な仕事ではありませんが、完成した時の達成感は格別。何十年も地域に残り、多くの人に利用され続けるそのやりがいを、ぜひ若い世代にも感じてほしいです」と、新たな力にも期待を寄せる加賀美さん。さらなる大規模橋梁工事の主担当となる日を見据え、今日も北の大地で奮闘を続けている。


株式会社生駒組
代表取締役社長
生駒 雅彦 氏

担い手の確保と定着は、近年の建設業界において、最も重要な課題の一つです。その課題解決に向けた取り組みとして、社員一人ひとりのビジョン・想いをホームページやSNS上で積極的に発信して、就職希望の若年層に働きかけをしています。中堅の若手が新人を継続的に支援する「メンター制度」の導入や、土木施工管理技術検定試験制度改正に対応した「人事評価制度」を整備し、新卒採用力の向上と離職率の改善に繋げています。今後も、社員一人ひとりが輝ける環境を追求し、ふるさと北海道・旭川に貢献できるよう全力を尽くしてまいります。

建設人材育成優良企業表彰『国土交通大臣賞』を受賞

 

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