FRONTIER
「仲間を信じて、現場を動かす!」安全かつ確かな工事を手がける鉄筋工のリーダー。


領家 隆了さん
株式会社中鉃
大阪府出身
大阪を拠点に、鉄筋工事業を担う株式会社中鉃。その現場で職長を務めるのが、登録鉄筋基幹技能者であり、CCUSゴールドカード保持者でもある領家隆了さんだ。鉄筋工として活躍していた父の仕事を手伝っていたことが、建設の道を歩むきっかけとなった。「最初はそれほど興味が無かったのですが、やってみたらおもしろくて(笑)」と語るその表情には、仕事への愛着がにじむ。
現在は、作業の指示から安全・品質・工程・資材管理、若手育成まで、現場のあらゆるマネジメントを担う立場となった領家さん。朝はメールをチェックしつつ、配筋図を見ながらその日の作業をイメージし、必要資料を整える。工程の組み立てにおいては「慌てず、戻り作業のないように確実に進める」ことを第一に考えるという。領家さんが特に重視しているのは、作業動線の確保と品質チェックだ。「朝礼後にはKYミーティングを実施し、危険なポイントを作業者全員で共有しています。また、現場作業が終了した後にはサブリーダーと共に仕上がりを確認しています」。工程管理においては、他業種との連携も不可欠だ。「マンションの低層階など、序盤の工程は特に神経を使います。前の業者の作業が遅れると、自分たちの工程にも影響が出てしまうもの。だからこそ、先を読んだ段取りと柔軟な対応が求められます。着々と工程が進めば、チームとして仕事の流れもつかみやすくなり、落ち着いて作業にあたれます。その流れをつかむまでが、工事における一つのポイントになりますね」。
まだ20代半ばのころは、「すべてのことを自分でやろうとして、疲れてしまった時期もあった」と話す。そんな領家さんを救ったのは、ある建設会社の課長からの言葉だった。「“もっと周りを信用してやっていかなあかん。一人で仕事しているわけやないんやから。”と言われて。その言葉は今も心に残っています」。それ以来、仲間への信頼を軸に現場を動かすスタンスが、領家さんの支柱となっている。日々のチームづくりにおいても、「言いにくいことでもしっかりと言える関係性」が重要だという。「休憩中には雑談を交え、明るい雰囲気をつくっています。大事なのは、思っていることを“言いにくい空気”をつくらないこと。遠慮なく意見を言い合える現場づくりこそが、安全で円滑な工事につながります」。その言葉には、現場を預かるリーダーとしての自覚がにじむ。
30年以上にわたって建設現場で働いてきた中で、安全面やICT環境の向上といった変化も実感している。「紙の図面がデータへと変わり、暑さ対策などの現場環境も改善されています。若手の職人たちはスマホで図面を見たりもしていて、時代の進化を感じますね」。
休日にはゴルフや温泉旅行を楽しむ一面も。「50歳になって、ようやく温泉の良さがわかってきました」と笑顔を見せる。現場での緊張感と、プライベートのリラックス。そのバランスを保ちながら、今日も領家さんは現場の最前線に立っている。

株式会社中鉃
代表取締役
中川 六雄 氏
近年、建設業界の日本人離れが続いている中、改めて技能実習生や特定技能外国人の存在の重要性を理解し、彼らの技能や知識を底上げすることで建設業界の発展につながると信じております。現在、特定技能2号となった作業員が4名となり、彼らに続くように日々教育を続けております。外国人の成長が日本人の成長と業界全体の成長につながると信じ、自社だけにとどまらず他業種とも連携を取りながら建設業界発展のために尽力していきたいと考えております。
建設人材育成優良企業表彰『優秀賞(総合部門)』を受賞
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