FRONTIER

FRONTIER
2025年10月号 No 572

「“慣れないこと”を大切に、職人さんといっしょに現場を作る!」若き施工管理者のまなざし。

建設の最前線へ!

坂井さかい 真唯v(まゆさん
小柳建設株式会社
新潟県出身

新潟県を拠点とする総合建設会社・小柳建設において施工管理を担い、安全・品質・工程のすべてに目を配る坂井真唯さん。現場では安全帯の使用状況や足場の点検、KY活動などを丁寧に確認し、誰もが安心して働ける環境づくりに注力している。「慣れてくると、どうしても危険を見落としがちになるもの。だからこそ、いつも“慣れないこと”が大事だと意識して仕事をしています」。そんな言葉からも、坂井さんの真摯な姿勢が見える。

ものづくりの道を志した原点は、幼い頃に観たリノベーションのテレビ番組。「建物が変わっていく様子や、それを手がける建築士の姿がとてもかっこよく見えました」。夢を追い、専門学校で学んだ後に小柳建設に入社。社長が語った“会社はチームである”という言葉に深く感銘を受けたことが、入社の決め手となった。「最初は人見知りで、職人さんとの会話にも戸惑いがありました」と話す坂井さん。しかし、“職人一人ひとりの名前をきちんと呼ぶ”ことを意識し、信頼関係を築いてきた。「今では仕事以外にも、テレビや最近のニュースの話題などで盛り上がったりしています。気さくな方が多く、楽しく仕事ができています」。そうしたコミュニケーションの積み重ねが、現場の雰囲気や安全意識の向上にもつながっている。感動を覚える瞬間は、足場が解体されて建物の外観が現れた時。「図面の中にあったものが、実際に目の前に現れた時の感動は何度味わっても特別です」。お客様からの“ありがとう”の一言も、大きなやりがいの源になっている。

坂井さんが働きやすさを感じる理由のひとつが、同社の“残業ゼロ”を目指す文化だ。「建設業は残業が多いイメージがありましたが、入社してみるとまったく違いました。定時で帰るために、チームで声をかけ合って助け合う風土が根づいています」。そのために、仕事の標準化を図るための管理ツール、シームレスなコミュニケーション実現のためのチャットツールを活用。効率的な働き方が、仕事の質を高めている。

業務後の時間を活用し、資格勉強にも臨む坂井さん。現在は2級建築施工管理技術検定の第二次検定へのチャレンジに向けて奮闘中だ。「残業がないため、17時以降の時間を使ってしっかり勉強できています。また、当社の技術部も過去問を送ってくれたり、添削してくれたりするなど、会社全体でも資格取得をバックアップしてくれています」と、職場の支援の手厚さも坂井さんのモチベーションを高めている。

今後の目標は、新築工事の所長として現場を任されること。その姿を重ねるのは、かつてメンター制度で出会った先輩だ。「段取りがしっかりしていて、現場が本当にスムーズに進んでいました。私もそうした姿を後輩に見せられたらと思っています」。

地元の高校で行われたジョブラーニングでは、社会人の先輩として建設業の魅力を伝えた坂井さん。これから建設業界を目指す人へのメッセージも伺った。「私は設計を学んでいた際、知り合いの建築士から“現場を知ることが大事”とアドバイスをもらい、施工管理の道に進みました。設計でも施工でも、現場の理解が仕事の土台になります。職人さんといっしょに現場を作っていく喜びを、ぜひ体験してほしいです!」


小柳建設株式会社
代表取締役社長CEO
小柳 卓蔵 氏

我が社の担い手確保、育成の第一歩は、“経営の価値観を変えること”でした。従業員が心から「この会社で働きたい。働けて良かった」と思える職場づくりを優先した結果、入社3年以内の離職率は5%以下、月平均残業時間も1時間台を達成(2023年度)。各従業員の持ち場・立場で課題解決を進め、一人ひとりが自主的に職場をより良くする風土が醸成されています。今後も「変化を楽しもう。」とする心をベースに、挑戦を続け、新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)の実現に邁進いたします。

建設人材育成優良企業表彰『優秀賞(総合部門)』を受賞

 

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