FRONTIER

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2025年3月号 No.566

「遅すぎることはない!」“生涯現役”を見すえた、50歳を超えての新たな挑戦。

建設の最前線へ!

藤井ふじい 勝也かつやさん
有限会社綜合電設
香川県出身

カメラやセンサーの設置から、Wi-FiやLANなどの通信環境の整備、ビル全体のLED化などまで、多岐にわたる電気工事・防犯工事を担う綜合電設。その一員として働く藤井勝也さんは、50歳を超えて異業種から建設業へと飛び込んだ“生涯現役”を見すえるオールドルーキーだ。「以前は食品関係の企業に勤め、冷凍設備の管理などを担当していました。新規設備の導入やメンテナンスなどを通じて職人の方々と接する機会が多かったことが、今の仕事に目を向けたきっかけです。50歳を過ぎてからの転身は難しいかも…という想いもありましたが、綜合電設では職人ごとにキャリアプランを策定するなど、育成にも積極的に力を入れていることを知り、安心して一歩を踏み出せました」。

入社から数ヶ月を経た現在は、主にEV(電気自動車)充電スタンドの設置工事に携わっている。「コンビニや道の駅への設置など、以前に比べて需要も増加しています。暮らしに必要なものを手がける、社会に貢献できる仕事だと感じています」。建設業に入ってみて驚いたのは、職場の雰囲気だ。「建設業といえば“職人気質”で厳しいイメージがありましたが、実際には非常にフレンドリー。年配の職人の方々も親切に、丁寧に教えてくださいます。“休日が少ない”という先入観もあったのですが、綜合電設の場合は勤怠管理も正確に行われ、休日も完全週休二日制が確保されているなど、以前に働いていた業界よりもしっかりと整備されている印象です」と笑顔で語る。また、現場の職人たちの判断力・行動力にも感銘を受けたという。「地下を走る電線や配線の状態などは、実際に掘ってみないと分からないことも多いですが、そんな中でも現場の方は即座に判断し、スムーズに対応しています。私もそうした判断力・行動力を身につけるとともに、密にコミュニケーションを図りつつ、全体の流れを把握して安全かつ円滑に進めることを意識していきたいと思っています」。

今後は、転職前の経験も大いに活かしていきたいと話す藤井さん。「以前は発注者側の立場で働いていたことから、その経験を活かし、発注側がどうしてほしいのか、どう動いてほしいのか、言葉には出さない意図も汲み取りながら現場での行動に繋げることで、綜合電設の力になっていきたいです。まずは、目の前の業務や任せていただける仕事に真摯に取り組み、職人として成長をしていくことが目標です」。異業種からの転職や建設業への入職を迷う人たちに向けて、こんなエールを送る。「50歳を超えてから異業種へ転身した者としては、“どんなタイミングでも遅すぎることはない”と言い切りたいですね。建設業に興味を持たれた方、手に職をつけて“生涯現役”を志す方には、ぜひとも挑戦してほしいです。私自身も日々、新しいチャレンジを繰り返して今以上に成長するとともに、皆さんのお役に立てるチャンスがあれば、躊躇すること無く挑んでいきたいと思います!」


有限会社綜合電設
代表取締役
宮下 賢一 氏

当社創業者の父が病に倒れたため私が家業を承継し、早10年が経ちました。この間、請負元の複線化とともに資格取得支援体制の充実、完全土日休業化など働き方改革を進め、他業からの転職者に恥じない労働環境の構築に専心してまいりました。
当社が得意とする既設建築物設備工事は現状も千差万別で、「現場合わせ」も多いためマニュアル化が難しく、どうしても工事担当者の経験知に頼る必要があります。一方で、藤井さんが持つ発注者としての業務経験は施工者としてのVE提案能力に通じ、さらにこれが長年一社下請だった当社ベテランに対し視野拡大を促す相乗効果も生まれています。

建設人材育成優良企業表彰『優秀賞』を受賞

 

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