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2023年2月号 No.545

建設業は“可能性しかない”!新たなチャレンジで未来を照らす電気工事士

建設業は“可能性しかない”!新たなチャレンジで未来を照らす電気工事士

「配線や器具の取り付けをして無事に電気がつくと、現場の雰囲気もワッと明るくなります。周りの職人さんたちからも“ありがとう”と声をかけられるこの瞬間は、何とも言えない嬉しさを感じます」。建設現場での電気設備の施工をはじめ、住宅や店舗、ホテルの特注照明などにも携わる前中 由希恵さん。2021年にはクラウドファンディングにより(一社)女性技能者協会を立ち上げ、その代表理事としても活動しているバイタリティあふれる電気工事士だ。

入職のきっかけは、高校生の頃にたまたま経験した電気工事のアルバイトだった。「それまで電気工事に携わったことはなかったのですが、現場での仕事を通して人に褒められる喜びや自分の手で作り出す楽しさ、仕上げた時の達成感などを感じることができました」。その後様々な現場を経験するとともに、第一種電気工事士やライティングコーディネーターの資格を取得。多岐にわたるフィールドでその力を発揮している。印象深い仕事の一つが、京都・鴨川に架かる七條大橋のライトアップだ。「古くから京都の地で親しまれ、2019年に登録有形文化財にもなった七條大橋をお祝いするライトアップイベントに携わりました。伝統ある街の中でどのような演出をするかは大きな課題でしたが、培ってきた経験や色彩の知識などを活かし、鴨川に美しく映え、地域の方にもご満足いただけるライトアップを手がけることができました。またプレゼンテーションや打合せを重ねる中で、温かいご意見をもらったり励ましの声をいただいたり…。施主さまや地域の皆さまと一緒になって取り組む仕事はすごく楽しくて、私自身の大きな経験にもなりました」。

前中さん自らが発起人となり立ち上げた(一社)女性技能者協会への想いも伺った。「女性技能者協会は、スローガンである“We will break through the Construction Site.~私たちは建設現場の殻を破りたい~”という言葉を起点に始めたものです。女性の活躍推進が叫ばれ、入職や定着に向けた取り組みもされていますが、まだまだ課題が多いのが現状です。そうした中で、自分たち自身で何かを発信することで、より業界や取り組みが活性化し、働く環境が良くなっていくのではと考えて立ち上げました。技能者によりそった社会保険セミナーなどの開催のほか、私たちの仕事を広く知ってもらうためのPR活動、資格取得や技能向上の支援などにも積極的に取り組んでいきたいです」。

これからの働き方を見つめるにあたり、建設キャリアアップシステムにも注目しているそう。「システムに登録しておけば能力や経験を証明できるし、出産や子育てで一時的に業界を離れてもスムーズに復帰しやすい。建設業で働く私たちにとって“未来への投資”とも言えるものだと思います。積極的に利用しながら、技能者により良いものとなっていくのを期待しています」と笑顔を見せる前中さん。「建設業は“可能性しかない”業界。新しい方にもどんどん挑戦してほしいです!」と、未来の担い手にエールを送ってくれた。

 一般社団法人女性技能者協会 
https://note.com/wbcs_woman/

 

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