連載

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2018年2月号 No.495

KALEIDOSCOPE 日本唯一の建設専門図書館 建設産業図書館

目指すは建設関係の国会図書館!

春には菜の花が見事な浜離宮恩賜庭園からほど近い場所にある建設産業図書館は、その名の通り建設に関連する資料全般を幅広く収集している専門図書館だ。専門図書館とはいえ広く門戸は開かれており、受付で氏名、所属等を記入すれば、誰でも無料で閲覧や貸出サービスを利用できる。そのため、連日、建設業に携わる人を中心に研究者、学生などさまざまな人々が利用している。

建設産業史を主分野に雑誌・小説やDVD、各種報告書などを収蔵

同館が開館したのは2002年のこと。東日本建設業保証株式会社の創立50周年を記念した社会貢献事業の一環として設立された。
現在収蔵している5万点以上の蔵書のなかで核となっているのは、京都大学や工学院大学で長年研究を重ねてきた建築学者の故古川修氏の蔵書「古川修文庫」。戦前から2000年初頭までの建築生産・建設業研究に関する図書や報告書から構成されている貴重なコレクションを参照するために訪れる利用者は数多い。この蔵書に加え、統計資料からマンガ、小説に至るまで幅広く本や視聴覚教材を揃えている。また最近は「担い手確保・育成」や「i-Construction」、「防災・減災」など建設産業の重要なテーマを取り上げた各種報告書や雑誌の充実にも努めている。

建設産業史の分野で収集に力を入れているのは建設関連の社史や団体史。「建築や産業に関する専門書は多くありますが、どのような人や組織が携わっていたのか記録する資料は非常に少ないのです。ゆえに社史や団体史は非常に大切な資料です。そして社史などを作らず、消えてしまった会社も多々あります。当館では、社史や団体史と合わせて明治・大正時代の信用録なども収集し近代の建設業をどのような人々が支えていたのかを調べられるようにしています」と話すのは、開館以来同館で学芸員を務める江口知秀さん。江口さんは、建設にまつわる各地の歴史や習俗を独自に調べ上げ、『けんせつのでんせつ』という本も上梓している。
また同館は宅配便による貸出も行っており、全国各地からのリクエストも多い。貸出で人気があるのは視聴覚資料。特に安全管理に関するDVDやビデオは、業務研修に利用されるため人気が高く、全国各地から依頼がある。「時期により利用される本やソフトの傾向が変わってきますね。夏になると熱中症対策のDVDが増えます。どのようなニーズにも応えられるようにスタッフ一同で励んでいます」と江口さん。
昨年10月には新書庫も完成し、さらなるパワーアップが期待されている建設産業図書館。貴重な蔵書を使った企画展示なども行われており、訪れれば必ず新しい発見が得られる場所だ。

建設産業図書館開館15周年記念「建設産業図書館の貴重書」として2017年12月に同館内にて開催された企画展より。
(写真上)30年におよぶ土方家業の経験を表した明治時代の書物。
(写真下)明治末期から大正期に刊行された「土木建築信用録」の第一版『日朝清土木建築業者信用録』。

 


事務局長の勝又義人さん
『建設関係で調べたい時はまずうちに来てください!』


学芸員の江口知秀さん
『昔の建設関係の雑誌や海外の建設関係資料がありましたらぜひご寄贈ください!』


〈アクセス〉

中央区築地5丁目5番12号浜離宮建設プラザ 1階
JR/東京メトロ銀座線/都営地下鉄浅草線の新橋駅より徒歩10分
都営地下鉄大江戸線の築地市場駅・汐留駅より徒歩5分
東京メトロ日比谷線の築地駅より徒歩10分
●開館日:月曜日~金曜日の午前9:30~午後4:30
●休館日:土・日曜日、祝祭日、年末年始、特別整理期間(不定期)
同館で開催する企画展や江口氏著『けんせつのでんせつ』など詳細は同館ホームページにて
https://www.ejcs.co.jp/library/cil.html

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