連載

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2018年2月号 No.495

屋上散歩 銀座出世地蔵尊(三越銀座店)

いまや世界中から多くの観光客が訪れる銀座四丁目。ここに大人気のパワースポットが存在する。その名は「銀座出世地蔵尊」。なんと、三越銀座店の屋上にあるのだ。
同店の9階は「銀座テラス」として、買い物客が気軽に休める休憩スペースと、芝生広場や四季の草木が広がる「テラスガーデン」、屋上農園「テラスファーム」など、東京の一等地にありながらもゆったりとした空間が広がる憩いの場所。向かいには銀座和光の大きな時計も見える。この場所の一角にあるのが、銀座出世地蔵尊だ。

銀座出世地蔵尊が安置されているお堂は昨年12月に修復されたばかり。(※取材のため特別に御開帳)

出世地蔵尊の分身像は1976年の建立。仏像画の大家・粛粲宝氏の復刻原画により、石彫家岩城信嘉氏が手掛けたもの。

そもそもなぜお地蔵さまが屋上に安置されるようになったのだろうか。それには2つのいわれがあるが、一つは文久元年(1861年)に三十間堀(現在の銀座4丁目10番地付近)の護岸工事中、地中から掘り起こされたのがこのお地蔵様だったと言われている。その後、銀座4丁目3番地(現在の7番地)の道端に祀られることとなった。しかし戦後、銀座が華やかになっていくにつれ、お供え物を野良犬などに食べられたり、酔っぱらいにいたずらされたりしたことも。そこで、1968年、同店の大改装に合わせて、屋上に引っ越すことになった。移転に伴ってお堂も作られ、築地本願寺により開所法要も行われた。“路上のお地蔵様が、いつのまにか大きな百貨店の屋上に上り詰めた”というサクセスストーリーから、お地蔵様はいつのまにか「出世地蔵尊」と呼ばれ始め、現在では全国各地から多くの人々が、参拝に訪れている人気スポットになったのだ。
「出世地蔵尊はますます人気が高まり、出世に限らず、就職や受験の合格祈願などにも訪れる人もいます。またお地蔵様をお世話する銀座出世地蔵尊奉賛会の会員も年々増え続けているんです」と、三越銀座店総務部渉外担当田中一宏さん。現在、国内外を含めて約1,500名の会員がおり、4月と10月の例大祭には多くの会員が駆けつけるという。
通常はお堂の扉は閉められているが、例大祭、そして毎月7日(土・日曜の場合は前金曜)には、御開帳される出世地蔵尊。買い物帰りに、ちょっとお参りしていきたい場所だ。

写真右側の神社は三囲(みめぐり)神社。三越の前身・三井家の守護神として三越本支店に祀られている。

(取材・文 浦島 茂世)


出世地蔵尊への行き方

東京メトロ銀座線・丸の内線・日比谷線「銀座駅」より直結
参拝は三越銀座店営業時間(10:30~20:00)
※荒天の場合、屋上庭園閉鎖の場合もあり。
社務所の開所中(11時~12時、13時~15時)はおみくじや、寄進のろうそく、柘植(つげ)で作られた手彫りの出世地蔵尊の根付けも購入できる。

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