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2022年12月・2023年1月 No.544

暮らしをつなぐ快適な道路を築く! 地域の人びとの笑顔を支える“建女”

暮らしをつなぐ快適な道路を築く! 地域の人びとの笑顔を支える“建女”

現場全体を見渡しながら周りの職人と言葉を交わし、時に笑顔を浮かべながらてきぱきと舗装工事を進める──青空の下でひときわ輝く姿が印象的な、東信建設株式会社の岡 理恵子さん。1級土木施工管理技士として、これまでに数多くの道路舗装の現場を担ってきた。

「今行っている切削作業は、路面の表面の凸凹を削り取り、舗装により元のきれいな形に戻す工事。人や車が快適に通行できるよう、厚さや平坦性が確保されているかなどを入念にチェックしながら工事を進めています。特に人の目に触れる表層の部分には気を配っていますね。自分自身でも“きれいに舗装できたな”と思える道路は、竣工後に通行する際も気持ちよく感じます」。

現場の管理だけでなく、書類の作成や発注者とのやり取りなど、様々な業務が求められる。天候にも大きく左右されるため、調整力や根気強さも必要とする仕事だ。「以前に携わった住宅街での舗装工事はちょうど梅雨時期に重なってしまい、工程通りに進捗しない事がありました。その際には道路に隣接する地元住民の方に一軒一軒ご挨拶をして、工事の延長をご説明して回りました。顔を覚えていただくことが工事への理解にもつながり、作業中にも“きれいな道路になってきたね”と温かい声をかけていただくきっかけになりました」と笑顔を見せる。人見知りと自身を評する岡さんだが、地域の方をはじめ、現場を共に担う職人とのマメなコミュニケーションが確かな仕事につながっているようだ。

2018年には、福島県建設業協会の女性部会として発足した『ふくしま建女会』に幹事として名を連ねた岡さん。『ふくしま建女会』では活動の一環として、福島県内の建設系学科で学ぶ女子高校生たちと座談会形式で懇談する事業に協力している。「県内で働く女性技術者の皆さんと共に始めた『ふくしま建女会』は、建設業の魅力をアピールして若い方の雇用を増やそうという想いのもとで始まったものです。高校での座談会では、私たちが普段行っている仕事内容を伝えたり、高校生たちが不安や疑問に感じる点に答えたりするアドバイザーとして参加し、将来彼女たちが入る業界への興味をより深めてもらえるよう図っています。よく尋ねられるのは、職場の女性比率や現場の環境のこと、資格がどれほど重要か、などですね。せっかく建設系学科を卒業しても他の分野に進んでしまう子たちが少なくないと聞きますから、私たちが業界の魅力を伝えることで建設業にもっと多くの女性が入職し、若い世代にとっても同期の多い楽しい職場になればと願っています」。

「今は多くの仕事でリモートが主流になり、建設業でも機械化や自動化が進んでいますが、実際に現場を動かし作業を行っているのは“人の手”です。そのぶん、他の分野では味わえないやりがいを感じられるのもこの仕事の魅力だと思います。少しでも興味があるなら、まずは恐れずやってみてほしいですね」とエールを送る岡さん。仲間と一体で道を築いてきたその姿は、たくましくも温かだ。

 (一社)福島県建設業協会ふくしま建女会 
http://www.e-fukuken.or.jp/kenjokai/index.html

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