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2022年10月 No.542

技術と知識を磨き、喜びあふれる建物を造り続ける大工へ!!

技術と知識を磨き、喜びあふれる建物を造り続ける大工へ!!

江戸の時代から“華の三職”と謳われた大工。設計図に沿って建材を加工し、寸分違わず造りあげていくその姿は、まさに職人と呼ぶにふさわしい。「大工の仕事は建物の骨組となる下地の工事から、フローリングなどの仕上げ工事や造作工事、補修工事など多岐にわたり、“なんでも屋”のような存在としてご要望に幅広く対応しています」。そう語る宍戸 由香里さんもまた、愛用の道具を手にして数々の現場を巡り活躍する大工の一人だ。

職人歴9年の宍戸さん。「入職当初は右も左も、工具の名前すら分からなかった」と語るように、全くの素人からこの世界に飛び込んだ異色派だ。「シングルマザーで子どもがまだ小さかったこともあり、保育園に預けられる時間や子どもとふれあう時間などを考えると、なかなか両立できる仕事が見つかりませんでした。そんな中で今の親方が『大工をやってみたら?』と声をかけてくれて。ハウスクリーニングのお手伝いから始め、親方に同行して現場へと向かうようになりました。子どもの保育園の時間などにも配慮して調整いただき、本当にありがたかったです」と当時を振り返る。

入職後はマンションやアパートのリフォーム、新築工事と様々な現場に入り、周りとコミュニケーションをとりながら大工として日々腕を磨いている。「当社は一般的な建物に加えて、教会などの建築や修繕も行っているので、様々な現場に立ち会うことができます。そうした現場ではご年配の職人の方であっても、どんな作業でもこなしてしまうし、ご自身の手でやりたがる。熟練の職人だからこそ可能なことですが、そばで見ていて本当にすごいと尊敬します。『型にはまったものづくりしかできない大工にはなるな』というのは、日頃から親方も口にすること。ベテランの方々を目標に、私も大工としての技術や知識を磨いていきたいです」。

『責任感も負けん気も強くて職人向き。様々な現場を経験している分、同年代の大工より知識もある』と親方も太鼓判を押す宍戸さん。現在は一人で現場に入ることもあり、活躍の幅を広げている。「作ってもらってよかった、という施主さまの声などを聞くと本当に嬉しいです。また施主さまだけでなく、他の現場の応援に行った際などに周りの職人からも『来てくれてありがとう!』と声をかけられると、来てよかった、また頑張ろうと思いますね」。

宍戸さんのような業界未経験者が活躍するために大切なのは?と尋ねると「くじけない、あきらめない姿勢」と笑顔を見せる。「最初は分からないことばかりだし、やりたいこともすぐには任せてもらえないかもしれません。そんな中でもくじけず、積極的に周りに聞いたり、毎日現場に入っていく姿勢が大切です。私も偉そうなことは言えず、辞めようかな…と思ったことも一度や二度ではないですが(笑)、中途半端に辞めてしまうのはもったいないと思います。大工は一度覚えた技術や知識があれば、全国どこでも、海外であっても活かせる仕事。また体が丈夫でさえあれば、いつまでも続けることができます。ものづくりに携わるやりがい、喜びを、いろんな人に知ってほしいですね」と語ってくれた。

 

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