FOCUS

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2019年10月号 No.512

生徒がつくった河川改修3DVRで地域住民に説明会 社会貢献性の高い学びを体系的実践

地域との連携に最新機材を駆使つくるだけに留まらない実践性

■ 「プロジェクトゼミ」は、どのように行うのですか?

「〇〇をイノベーションしよう」というテーマをつくっています。〇〇とは宇宙空間や、生活空間、京都工学院、京都などさまざまです。生徒の希望を募りテーマごとにチーム分けをしたら、自分たちで課題を設定。その解決にむけたものづくりを進めます。たとえば、傘が盗難にあわないようにするには、どうするか?開かなければ盗まれないのではと、柄の部分にナンバーキーをつけることを考えたり、GIS(地理情報システム)を使った本格的な地域防災マップをつくったり。それぞれの領域で学んだ知識を集結してものづくりを進めています。グループで意見を出し合い知識に触れることで刺激となり、生徒たちの発想の幅も広がっているようです。私の目から見ても「こんなものがつくれるんだ!」と、大変興味深い発見があります。

 

■ ■  ドローンや3DVRなど先進技術を使った取り組みについて教えてください。

学校にあるドローンや3DVR制作ソフトに関する基本的な知識や技術は、授業で教えています。それらをどう使うのかを考えるのは生徒です。3年前には、取り壊される伏見工業の校舎を3DVRでつくりました。完成した作品を3DVRシミュレーションコンテストに出してみると、有名企業や大学を差し置いての準グランプリ。快挙ですよね!地域と連携し、工業高校生が提案する高瀬川の改修案という3DVRも、準グランプリでした。京都市の河川整備課からは「七瀬川改修工事の住民説明用3DVRをつくってほしい」という依頼もありました。つくるだけではなく、住民説明会では生徒たちが3DVRを操作。住民からの声に触れ、公務員志望だった生徒はさらにその意欲を増していました。地域連携は伏見工業の頃から取り組んでいますが、最初は地域住民の理解を得るのが難しく、さまざまな意見をいただくことも。教育の一環であることを理解していただくために、教員が丁寧に時間をかけて説明していきました。生徒たちにはこれらの活動を通して、異世代とのコミュニケーションの大切さを感じてほしいと思います。それは、今後社会に出たときに、きっと彼らの役に立つでしょう。

左上:「七瀬川改修工事」3DVR。河川整備課提供の図面を元に遊水地3DVRを作成し、住民説明会を行った
左下:コンテスト初応募作品の「東高瀬川改善案」3DVR。地元住民とのワークショップから作成。地域コミュニティが変化するきっかけに
  右  :ドライビングシミュレーションでは、天候や時間帯、高速道路の看板の大きさやサイズ、トンネル内の照明色など、環境が変わることで運転者がどのように感じるかを模擬体験

 

 

 

京都市立京都工学院高等学校

〒612-0884 京都府京都市伏見区深草西出山町23
WEB:http://www.nc.takako-hs.gsn.ed.jp/

◎本誌記事の無断転載を固く禁じます。

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