FOCUS
“建築って楽しい!”と感じる心を原動力に!地域とともに育む“住”の未来を担う人材たち。

戦国時代に武勇を轟かせた真田氏ゆかりの地・長野県上田市。千曲川の清流と山々に囲まれたこの地にあるのが、まもなく創立110年を迎える伝統校、長野県上田千曲高等学校です。地域の産業と社会を担う人材の育成に力を注ぐ同校において、建築科は“癒しの空間プロデューサーを目指して”を合言葉に、“住”の未来を創造する力を養っています。今回は、建築科で教鞭をとる関磨子先生に、教育への想いや地域との連携、そしてご自身の歩みについて伺いました。
地域の力に支えられた
建築教育
同校建築科の卒業生でもある関先生。当時と比べて、取得できる資格の幅が非常に広がったと話す。
「技能検定(大工工事)をはじめ、建設機械や玉掛け、2級建築施工管理技士(第一次検定)、そして卒業後には2級建築士の受験資格も得られます。入学当初は就職や進学への意識がまだ明確でない生徒も、自分たちとつながりのある先輩が資格取得に取り組む姿を目にしたり、先輩たちの資格取得状況などを知ることで、“私たちも負けないよう資格を取得しよう!”と、モチベーションが高まります」。
生徒たちの学びの推進力となっているのは、地域との強い連携だ。2023年には建設業界を支える有為な人材を育成することを目的に、同校建築科・長野県建設業協会上小支部・長野県上田建設事務所の3者による産学官連携の“建設業人材育成にかかる包括的連携協定”が締結された。
「技能検定の材料提供、現場見学の受入れへの助成など、地域の皆様の手厚いサポートが、生徒の学びを後押ししています。また、生徒がプロの仕事に触れられるインターンシップの機会なども豊富にいただいています」。
3者による意見交換会も定期的に行われている。
「意見交換会では、就職希望者の状況や、進学後に地元に戻ってきてもらうための魅力づくりについて話し合っています。こうして“教員が変わっても続く仕組み”が地域に根づきつつあるのは、本当にありがたいことです」。
その他、地元の技能士の方に、技能検定技術講師としての協力を得ているそうだ。
進路支援にも力を入れる建築科では、卒業生が仕事や生活を語る会も開催している。スライド資料を用いて語りかける先輩たちの姿に憧れを抱き、建設業界を志す生徒も多いという。





