FOCUS

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2025年6月号 No.569

考える力、協働する力──未来をつくる建設教育を、下関から。

山口県立下関工科高等学校建設工学科 松原浩一先生

平成28年、下関工業高等学校と下関中央工業高等学校の再編統合によって開校した山口県立下関工科高等学校。4学科7コースを有する県内最大規模の工業高校として、地域と連携した学びや先進的な取り組みを通じて、建設分野に貢献する人材育成に力を注いでいます。今回は、建設工学科長として生徒を見つめ、地域社会や行政とも密接に関わりながら教育にあたる松原浩一先生に、同校の取り組みや今後の展望について伺いました。

社会で活躍する建設人を
育む指導

昭和14年の旧制下関工業学校の開校以来、脈々と続いてきた同校による建築・土木教育。学校の形が変われども、社会で活躍する建設技術者を育てるという柱は変わらない。

「建築と土木の2つの分野を学べる建設工学科を設置している本校では、入学後に共通でそれらの基礎を学び、5月末のコース振り分けで希望に応じて建築・土木のいずれかのコースに進みます。土木は当初こそ希望者が少ないですが、測量をはじめとした実習に触れる中でおもしろさに気づき、最終的にはバランスよく分かれる傾向にあります。建築・土木の両方の魅力に触れ、学びを進めていけることが本校の強みだと感じています」。

建設工学科長として、建築コース(全学年)と土木コース(3年生)それぞれの授業も担当している松原先生。同校で注力している資格取得に向けた取り組みについても伺った。

「建築コースでは2級建築施工管理技術検定(第一次検定)、土木コースでは2級土木施工管理技術検定(第一次検定)の合格を目指して学習を進めています。希望する生徒には放課後などを活用した補習を実施し、過去問演習を中心に指導しながら、生徒たちが自信を持てるようなサポートに努めています」。

建設研究部の建築班・土木班が出場する高校生ものづくりコンテストにおいても、建築コースが木材加工部門で、土木コースが測量部門でそれぞれ好成績を収めるなど、両コースにおいて培われる技術力と継続的な努力が形となって現れている。

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