FOCUS
全員合格・満点合格への挑戦。生徒の自信と“生きる力”を育む教育!
港町の文化と活気が息づく長崎県佐世保市。“佐工(さこう)”の愛称で親しまれる長崎県立佐世保工業高等学校は、この地で85年以上の歴史を歩む伝統ある工業高校です。多くの技術者を輩出し、地域と結びついた教育を展開するほか、建築科では2級建築施工管理技術検定(第一次検定)(以後「施工管理技術検定」と表記)の合格率がほぼ100%という目覚ましい成果をあげています。生徒一人ひとりに寄り添った指導や取り組み、背景にある想いについて、建築科の福田顕先生に伺いました。
将来に向けて、
目指すは全員合格!
佐世保工業高校建築科の特長の一つが、施工管理技術検定の全員合格を目指す取り組みだ。以前に福田先生が担任を務めた年次には、建築科生徒3年生40名全員が合格を果たし、さらに全員が「ジュニアマイスターゴールド」を取得するという快挙を達成した。こうした成果の背景には、福田先生をはじめとする教員の手厚い指導がある。
「社会に出た際、資格が重要視される場面は多々あることから、本校では積極的に資格取得をサポートしています。特に施工管理技術検定については重要な資格と捉え、前期・後期の両方で受験機会を設けています。生徒たちには“在学中に何か一つ思い出ができたらいいね”というところを出発点に、資格取得への挑戦を促しています。ジュニアマイスターゴールド取得はそうした積み上げの結果によるものですが、全員が取得できた際には喜びもひとしおです」。
施工管理技術検定の指導においては、単に合格するだけではなく、“満点を目指す”ことを指導方針としている。
「満点を目指すことで、自ずと合格がついてくると考えています。いずれ建設業に入ったとき、合格ラインギリギリの知識で働くよりも、満点に近い知識を有しているほうが不安全行動が少なくなり、正しい施工に繋がるはずです。また、満点を取れる知識を身につければ、自信を持って仕事に臨めるようにもなります」。
資格サポートの取り組みにおいても、段階的に力を伸ばすことで生徒のモチベーションを向上させられるよう工夫を凝らしている。
「試験対策としては、まずは過去問題に挑戦し、解説を丁寧に行います。その次に目標点を設定し、目標に達するまで再挑戦を繰り返す中で理解を深め、最後の段階で満点を目指した仕上げに取り組みます。段階的に目標をクリアして知識と達成感を得ていくことで、試験本番でも普段通りの力を発揮できるようになります。また、生徒同士でも進捗を共有させたり、一人ひとりの成長をしっかりと評価することで、意欲を引き出すことも意識しています」。
仲間とともに努力し、喜びを共有した思い出は、生徒が社会に出た際にも大きな財産となるだろう。