特集

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2018年12・2019年1月号 No.504

工業高校が行う中学生へ向けた魅力発信の取り組みについて

CASE1 兵庫県立工業高等学校

オープンスクール 中学生に伝えたいこと

学校によって実習のために揃えている設備などまったく異なりますが、どのような設備が揃っているのか、学ぶ環境にそれぞれの学校の個性がでるといっても過言ではありません。ぜひ中学校の先生には工業高校の設備を見てもらい、学校ごとの違いを理解していただきたいなと思います。我々はオープンハイスクールを、できるだけ「学校のことを見せる場」として活用しようと考えています。学びの現場をどのように見せるかということに力点を置いて、工夫しながら行っています。

こだわり 体験できる場づくりの充実

工業高校での学びや技術系の仕事の一番おもしろいところは、ゼロからものを作るということ。それを生徒に体験させるとなると、コンピュータに触れることが一番やりやすい。わずか10分程度ではありますが3Dの体験をしてもらったところ、『どんな仕事があるのか少し分かった』という声が上がっていました。アンケートにも好意的な感想がたくさん書かれていたことも踏まえると、工業高校での学びの一端を体験させることは、その先の将来に対するイメージを具体的に示唆するためにも、非常に重要だと感じました。

プラスαの情報

生徒たちの「未来予想図」を示すために必要な変化

コンピュータに関わる業務は、非常に変化が目まぐるしく速い。BIM(ビルディング インフォメーション モデリング)やCIM(コンストラクション インフォメーション モデリング)を体験させることによって、将来の仕事のイメージが非常によく見えてきます。しかしそれらを体験できる設備を導入するにはさまざまな課題もある。学びの現場を整えることが難しい分野が、今業界で求められているスキルの主体へと変化していることを踏まえ、教員が今後どのように対応できるかということは大きな課題です。基本的な知識は大切ですが、進化しているスキルを教育の現場でも追っていかなければならないと考えます。

CASE2 神戸市立科学技術高等学校

オープンスクール 告知方法

ホームページで告知する他、神戸市内のすべての中学校へ案内を送付。さらに、パワーポイントで作成した資料や学校案内のパンフレットを用意して市内の中学校へ出向き、プレゼンテーションや説明会を行うこともあるという。オープンハイスクールの開催日時を印象づけるPRをすることで、毎回、保護者や引率教員も含めて1,000人を超える参加者を集めています。
生徒たちが作った作品の展示見学や、授業内容の説明といった方法で、同校での学びの一側面に触れてもらっています。

プラスαの情報

部活動の影響

特に市内の中学生は、『部活が強い』というクチコミや、『先輩たちが行っているから』という部活のつながりで、オープンハイスクールに来る生徒も多数います。

ホームページ 柔らかな口調で、中学生が親近感をもつように

中学生から『測量の授業といわれても分からない』と言われることもあり、授業風景を撮影して、週に1回のペースでホームページに紹介するようにしました。中学生に見てもらうことを意識し、実習内容やどのような目標に向けて授業を行っているのかをわかりやすく伝わるよう心掛けています。文章も『こんにちは!』から始めるなど、柔らかく喋り口調で親しみをもって読み続けてもらえるように工夫。その時期にやっていることをタイムリーに発信し続けることで、パズルのピースがひとつずつはまっていくように、流れを理解していただけたらという思いで作っています。

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