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経済動向

経済動向
2019年9月号 No.511

プレキャストコンクリート いよいよ生産性向上の切り札に

建設現場の生産性向上を実現するための重要な技術に位置付けられている「プレキャストコンクリート」。しかし、材料の販売量はこれまでと変わらず、その採用が伸びているとは言い難い。採用を阻む様々な壁が存在するからだ。それでも、普及拡大に向けた取り組みは本格的になりつつある。その動向を解説する。

プレキャストコンクリートとは、工場で生産したコンクリート部材だ。工場生産するので部材の品質が高いだけでなく、部品として現場に搬入して組み立てるので現場での作業の合理化が進み、工期の短縮にもつながる。建設産業界で問題になっている人手不足問題の解消や建設現場の生産性向上に寄与する重要な技術だ。

 

導入広がらぬプレキャストコンクリート
仮設費を適切に評価するように

ところが、その生産量は横ばいの状態が続く。原料であるセメントの販売量を、2014年度から5年間にわたって見てみると、プレキャストコンクリートは全体の13~14%の水準が続いている。こうした状況を招く大きな要因は資材コストが割高になる点と設計や施工に必要な各種基準の整備が不十分だった点にある。

近年は、これらの課題に対応した取り組みが始まりつつある。例えばコストの面では、国土交通省が17年4月に全国の地方整備局に通達を出した。予備設計の段階で技術や工法のコストを計算して比較する際に、工期に比例して増減する足場や交通管理などの仮設費を考慮するよう求めたのだ。

従前は、直接工事費に係数を乗じて間接工事費を算出し、費用面での優劣をつけていた。ところがこの方法では、プレキャストコンクリートを用いる工法が不利になることが多い。プレキャストコンクリート工事の方が、直工費が高くなる傾向にあるからだ。

そこで、前述のような手法を持ち出した。こうした措置によって、より正確な比較が可能になる。プレキャストコンクリートを用いた計画が採用される可能性が高まるというわけだ。

 

基準類の整備が進む
19年3月には設計ガイドラインを改定

もう1つの課題である基準についても動きが出ている。例えば、国土交通省は19年3月に「土木構造物設計ガイドライン」を23年ぶりに改定。プレキャストコンクリートの利用促進を明記した。

さらに、土木学会は18年4月、「プレキャストコンクリート工法の設計施工・維持管理に関する研究小委員会」を設立。壁高欄や擁壁など構造物ごとの設計マニュアルを作り始めている。製造や施工管理の方法を盛り込んで、20年の発刊を目指す。

17年10月には、道路プレキャストコンクリート製品技術協会が、ボックスカルバートなどの製品の設計、製造、品質管理の手法をまとめた「道路プレキャストコンクリート工指針」を発行。指針に基づく協会各社の製品審査制度を確立し、19年夏に運用を始める予定だ。

 

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