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経済動向

経済動向
2019年9月号 No.511

2019年みずほアジアビジネスアンケート アジアビジネスの構造転換はあるか

みずほ総合研究所では、日本企業のアジアビジネスの取り組みを把握するため、1999年度以降、継続してアンケート調査を実施している。今回は、製造業企業1,072社から回答を得た2019年2月の調査結果をもとに、日本企業のアジア拠点別の収益満足度の推移や、今後の中国ビジネスでの懸念材料と考えられている点などについて解説する。

アジア拠点の収益満足度が総じて低下

今回のアンケート調査結果の特徴の一つとして、日本企業のアジア拠点の収益満足度が、インドを除いて低下した点があげられる。拠点別にみた日本企業の収益満足度DIは、中国、NIEs(新興工業経済地域)、ASEAN(東南アジア諸国連合)で低下した(図表1)

地域別では、中国は、同国経済の減速と、米中の貿易摩擦の影響を受けた形だ。その結果、中国拠点の生産を抑制する動きも一部にみられた。また、世界および中国経済の減速により、輸出依存度が高いNIEs、ASEANのDIがマイナスに転じた。一方、概ね7~8%の成長が続いたインドのDIは、マイナス圏にとどまったものの、大きく改善している。

 

米中貿易摩擦への懸念が高まる

また、アンケート調査結果からは、アジアビジネスの懸念材料として、米国のトランプ政権がもたらした米中経済戦争に起因した貿易摩擦や為替変動、サプライチェーン断絶リスクを警戒していることがわかる。

図表2は、中国進出企業に、中国ビジネス上の懸念材料を尋ねたものだが、「米国との貿易摩擦の顕在化」の回答比率が大幅に増加し、増加幅では「中国の景気」が続いた。なお、これまで問題となっていた「人件費の上昇」や「日中関係」の回答比率は低下している。

ベトナムへの期待の高まり

そして、「今後最も力を入れていく予定のASEAN諸国」をみると、国別回答率ではベトナムが上昇した(図表3)。ベトナムが他のASEAN諸国と比べて相対的に投資環境が良好なことに加えて、TPP11の加盟国であることもあり、輸出拠点と成長市場の両面で、投資環境の更なる改善が期待されたことによる。中国の生産拠点の代替地として、べトナムへの期待が高まっていることが示される。


米中経済戦争が長期化するなか、アジアビジネスについては、どのような立地分散をアジアで行って新たなサプライチェーンを構築していくかがカギになる。今や日本企業は、アジアビジネスの構造転換も意識しつつあるといえよう。

 

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