経済動向

経済動向
2018年5月号 No.498

プレミアムフライデー1年を振り返る

個人消費の押し上げや働き方改革推進のために、月末金曜日の早期退社を促すプレミアムフライデーは、2017年2月開始後、1年以上取り組まれてきた。しかし、認知度は高いものの、その効果は必ずしも高くはないようである。今回は、このプレミアムフライデーの効果や、今後進めていくうえでのポイントなどについて解説する。

認知度は高いものの実施は道半ば

プレミアムフライデーは、この1年で衆院選などと並び最も話題を集めた項目の一つだった。2017年2月の第1回実施時には、プレミアムフライデーの検索件数が多く、その後は徐々に低下しているものの、月末になると検索数が一定程度は伸びる状況が1年間続いており、プレミアムフライデーは継続的な話題になっている(図1)

図1 Google検索インタレストの推移

従って、話題性という点では開始1年で及第点だが、その効果には課題が残るというのがフェアな評価だろう。プレミアムフライデー推進協議会事務局の調査結果では、1年間の平均早期退社率は11.2%にとどまり、大企業(16.4%)と中小企業(10.2%)の間に差が見られる。
また、プレミアムフライデー当日の実質消費支出の前年比を見ると、自動車購入やその他支出など、プレミアムフライデーとは関係の薄い品目を中心に増加がみられ、当初期待された外食や娯楽の伸びは余り確認されていない(図2)。早期退社率が高まらないなか、消費押し上げ効果は限定的となった。

図2 プレミアムフライデー当日の実質消費支出

柔軟な運用などで普及促進を

ただし、クールビズなど過去の事例を振り返ってみれば、定着までには一定の時間が掛かっており、評価を固めるのはまだ時期尚早だ。例えば、1987年の労働基準法改正を契機に本格導入が始まった、週休二日制の導入企業割合の推移をみると、法改正を伴ったものであったにもかかわらず、その定着には5年以上の時間を要している(図3)。同様に、今ではすっかり定着したクールビズも、2005年の取り組み開始時には、定着を疑問視する見方が少なかったことは意外と知られていない。

図3 何らかの週休二日制を採用する企業の割合推移

プレミアムフライデー参加者の満足度は高く、若年層中心に早期退社意向は強い。継続的な実施を通じ働き方改革を粘り強く推進することが最も重要であり、月末金曜日にこだわらない柔軟な運用などによって、参加率をさらに高める工夫をしていくべきだろう。月に1度「週休2.5日制」のようなものとして定着させ、長期的に「週休2.5日制」を視野にすればメリットも大きいのではないか。

関連記事

しんこう-Webとは
バックナンバー
メールマガジン配信希望はこちら