経済動向

経済動向
2018年3月号 No.496

日本経済に「真の夜明け」は来るか

みずほ総合研究所は、昨年12月に「とんでも予想2018年」を発表した。予想の特徴は、地政学的な不安が世界中にあるなか、1980年代のバブル的な色彩がみられるというもので、中でも多くの方から関心が寄せられたのは、バブル的世相の再来予想であった。今回は、今日の日本経済の置かれている状況などから、この予想について解説する。

「雪の世界」から「普通の国」へ

「とんでも予想2018年」(表)では、項目8を中心に、株式市場を含めたバブル的世相の再来を指摘しているが、この点に関する筆者の認識は、バブルの再来というよりは、平成の到来以降、長らく続いた「雪の世界」が転換し、日本も「普通の国」に戻っていくというものである。
この「普通の国」という概念は、株式市場の時価総額の推移(図)から考えたものである。1980年代は日本が突出していた時代だったが、平成元年を境に、日本は長い「雪の世界」に入る。世界の株式市場が右肩上がりの上昇を続けるなか、日本だけが世界から隔絶され、昭和末期とは一転して、資産デフレ・超円高で「雪の魔法」がかかったような状況にあった。日本企業は生き残りをかけてバランスシートを持たない経営とリストラ経営を行い、そのモードが20年以上続くなかの進化形が、「平成マインド」とも言える草食系になったデフレ均衡の姿であった。

表 みずほ総研とんでも予想2018年

改革継続による「真の夜明け」への期待

平成から四半世紀以上が経過し、アベノミクスの5年間で、資産デフレ・超円高の「雪」が溶けてきた。2017年秋の総選挙の与党勝利で、現在の改革が2020年代まで、もう4年近く続く期待が生じ、マインドにも転換の兆しが生じたことから、以降、「夜明け」の観測が強まった。日本も漸く世界並みの成長トレンド、「普通の国」に戻るとの認識が、2018年には広がっている。
アベノミクスの5年間で、20年近いバランスシート調整に起因したマインドの落ち込みが蘇生されるには至らなかったが、2020年代まで経済重視の姿勢が続けばマインドが変わりうるとの期待が、海外から生じたことは重要だ。適合的期待とされるように、20年にわたって生じたマインドの落ち込みからの蘇生は、最低10年近い改革継続でようやく果たし得るとの期待だろう。
当然、海外が下落すれば日本も下落するが、少なくとも海外が上昇するなか日本だけが隔離された「雪の世界」は、平成の転換と共に変わりゆくとの期待が、「真の夜明け」として現れてきた。以上の観点から、改革の継続として「二人の総裁」、4月の日銀総裁の新任期と、9月の自民党総裁選で現在の総裁が再任されることが、連続性の観点から重要だろう。

図1 株式時価総額の推移

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