RELATIONSHIP

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2021年11月 No.533

優れた技と温かな心で住まいを守り、暮らしを支える修理のプロ・板金工事業。

優れた技と温かな心で住まいを守り、
暮らしを支える修理のプロ・板金工事業。

経年だけでなく、台風・大雨などからも生じる屋根の被害。そうした屋根の改修工事をはじめ、外装・太陽光の設置なども担う修理のプロフェッショナル集団が、株式会社 関東技建だ。その代表であり、登録建築板金基幹技能者トレーナーとしての顔も持つ飛留間 和紀さん、そして飛留間さんの下で工事部長として活躍する平岡 幸成さんに話を伺った。

飛留間 和紀(ひるま かずのり)さん

1975年10月生まれ 千葉県出身

技術と共に大切なものを、新たな世代へつなげていく。

祖父・父と3代に渡り板金工事業を営みつつも「一人でイチから始めたい」という思いから独立。以来20年近く、常に第一線に立ってきた飛留間さんだからこそ、業界の変化にも敏感だ。「今は一人親方や少人数の事業所が多く、仕事はあるが人数的に請けられないといったケースも少なくありません。そうした時代だからこそ、大切なのはつながりです。社内と社外、そして社会とのつながりを持つことは、これからの職人が必要とする重要な能力です」。

登録建築板金基幹技能者トレーナーでもある飛留間さんは技術へのこだわりも人一倍強いが、一流の職人には技術以上に必須のものがあるという。「技術自体は覚えればできること。気遣いや心構え、職長として人をまとめる力などは、それ以上に大事な肝の部分です」。その心配りは、仕事にも如実に表れている。「散水試験などの調査に基づき的確に状況を把握した上で、できる限りお客さまが先々のメンテナンスもしやすい工事を心がけています。工事を行う際には、両隣やご近所へのご挨拶も欠かせません。工事の後こそ、お客さまが快適に過ごし続けられることが大事。丁寧な仕事を積み重ねていくことが、新たな仕事にもつながっていきます」。

気象災害が増す昨今では、板金工事業の必要性を切に感じる機会も多い。「2019年の台風被害は未だ苦い記憶ですが、自分たちの仕事の大切さを再認識する出来事でもありました。暮らしに欠かせない重要なことを担っているんだ、という誇りを持って仕事に励みたいですね」。

近い将来、事業承継や海外への進出も視野に入れているという飛留間さん。「様々な人に支えられ、今があると感じています。海外から来てくれる技能実習生や、一生懸命に働いてくれる平岡たち若い社員のためにも、我々がどういった仕事をしているのか、もっと多くの人に広げていきたいと思います」。

 

平岡 幸成(ひらおか ゆきなり)さん

1990年4月生まれ 千葉県出身

難しさに勝る楽しさがある仕事。脈々とつながる、職人の技と心。

同社に勤める先輩の奨めで入社した平岡さん。以来、現場で着実に研鑽を積み、“技術はすでに一流”と、登録建築板金基幹技能者トレーナーの飛留間さんも太鼓判を押す。平岡さん自身も登録建築板金基幹技能者となり、今や現場を指揮する立場だ。

「板金工事業では、直刃(マトモ)・柳刃(ヤナギバ)・エグリなど、用途に応じたハサミやツカミで金属板を自在に加工していく技術が求められます。また家屋や店舗など、手掛ける施設によって扱う金属の厚み・強度も様々。工場で加工する場合もあれば、現場で臨機応変に対応する場合もあります」と、技術はもちろん、的確な判断力や想像力も問われることを伺わせる。そうした中でも、平岡さんは何の苦もないように目の前の仕事をこなしていく。「確かに難しい一面はあるのですが、何よりも楽しい、非常に充実感のある仕事です。数ヶ月におよぶ工事もありますが、現場が終わった際にみんなで“おつかれさま”とお互いをねぎらう瞬間は、大きな達成感を覚えます」と笑顔を見せる。「入社のきっかけとなった先輩も、この会社や現場を“楽しくて働きがいのある場所”と紹介してくれました。私自身も苦労した思い出より、毎日面白くやらせてもらっているという実感のほうが強いです。ぜひ若い方にも入職してもらい、この楽しさを感じてほしいですね」。

温かな現場の雰囲気は、代表である飛留間さんの影響も大きいという。「夜遅くに現場から会社へ戻ったときでも、社長に“おつかれさま”と声をかけていただくと、安心感と温かさを感じます。常日頃から資格取得の応援もしていただいているので、その信頼に応えたいですね」。今後は自身の成長はもとより、後進の指導にも力を入れていきたいと話す平岡さん。確かな技術と温かさは、新たな世代へと着実につながっている。

 

暮らしを支え、日常を守る板金工事業。その技と心は、若き職人たちへとつながり、広がっていく。

取材協力: 株式会社 関東技建

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