働き方改革

働き方改革
2019年5月号 No.508

働き方改革と若者の定着の実践に向けて〜若い人材の確保と定着〜

若い職員がイキイキと楽しく働くためには、画一的な指導・教育を行うのではなく、若者一人一人の能力と意欲に応じた指導を行うことが大切です。そこで、部下の状況に合わせる指導方法について、実践的にわかりやすく解説します。

原案作成 手島 伸夫【監修】

一部上場建設会社に34年勤務して、社長室次長、ISO品質保証システム部長を歴任。中小企業診断士、社会保険労務士、1級土木施工管理技士

スクリプト 廣津 栄三郎【監修】

一部上場建設会社で技術営業部長や関連会社の社長を歴任後、複数の海外企業にてコンサルティングを行う。技術士、測量士、工学博士

本シリーズは中小建設産業の働き方改革を成功に導くための「職場改善と労働条件の改善」、「若い人材の確保と定着」、「生産性の向上」の具体的施策を全5回で紹介します。大都市の郊外にある老舗建設株式会社(従業員約50名)を舞台として、従業員がイキイキと楽しく働いて、若い人材の定着と生産性の向上を図る経営力強化の方向性を従業員の会話方式をベースに説明します。


実施計画検討会

方針の明確化

賢説課長
当社の若い職員の3年定着率はどうかな?
袋小路君
工事部は約50%、管理部門は100%です。
超勤課長
工事部の定着率を上げるための改善点はどうかな?

問題の抽出

勤怠さん
先日、工事部の若手と面談したときに、「上司によって、やたら細かかったり、大ざっぱな説明だったりで、まちまちの指導を受けている。」と言ってました。
袋小路君
指導方法が統一されてなくて上司任せになっているってことですね。どうやら、指導者側に問題があるようですね。
賢説課長
定着率向上のために、指導方法を見直しする必要がありますね。
超勤課長
上司は、自分が経験してきたことを基に、良かれと思って教えているのだよ。
賢説課長
それは、わかります。しかし、若者の定着と育成には個人ごとの能力に見合った指導法が大切です。勤怠さん、このまえ参加した建設業協会主催の『働き方改革理論と実践セミナー』の内容を話してください。
勤怠さん
セミナーでは、「①人間関係を良好にし、やる気を引き出すこと」「②部下の成熟度に応じた指導をすること」について話がありました。特に②のポイントとして、『部下の能力と意欲に応じて支援と指示のバランスを変えること』が効率的で生産性の向上につながるとのことでした。

問題解決・具体的な指導法

賢説課長
若い人の能力と意欲の成熟度に合わせて、指導方法に支援と指示を組み合わせて人材育成していくことが大切なんですね。
賢説課長
具体的には、「指示的指導法は新人に、説得的指導法は中堅、参加的指導法はベテラン、委任的指導法は管理職見習」を対象にするようなイメージですね。
超勤課長
なるほど、新人に中堅が一歩ずつ指導すると同時に、中堅は主体的に新人を教育することで自分も成長することができる。ベテランは中堅を支援することで、相互に「意欲」が高まり「能力」向上が図れるってことか。

検討会のポイント

賢説課長
具体的になってきましたね。人材の育成方法を見直し、定着率の向上のために我が社の指導マニュアルを策定しましょう。実践策は袋小路君を中心にまとめてください。
袋小路君
また~!僕がまとめですか。今月はまだ一回しかデートしていません。トホホ。勤怠さん助けて-

次回検討会の議題

賢説課長
それでは、次回の会議はホワイトボードに示す技術工夫発表会と全社員の気を束ねる実践としてNo.1活動を利用した生産性向上について検討しましょう。

1 2

関連記事

しんこう-Webとは
バックナンバー
アンケート募集中
メールマガジン配信希望はこちら