FRONTIER
「常に一番を走り続けたい!」 1mmの妥協も許さない、クロス施工の若き表現者。


小川 梨依乃さん
株式会社文創
愛知県出身
愛知県名古屋市に本社を置き、内装仕上工事を専門とする株式会社文創。その現場で職長を務める小川梨依乃さんの仕事ぶりは、極めてストイックだ。手がけるのは、壁紙や床材を施工する内装の最終工程。1mmのズレも浮きも許さない仕上がりを常に追求している。
小川さんがこの道を志したのは、専門学校時代の体験学習がきっかけだった。当初は現場監督に格好良さを感じていたが、実際にクロスを貼る作業に触れた際、空間が劇的に変化していく面白さに魅了されたという。「もともと将来を具体的に決めていたわけではなく、この道に進んだのも“なんかいいな、やってみたいな”という気持ちからでした。今思うと、本当に行き当たりばったりでした」と本人は笑うが、その直感は間違っていなかった。
現場に入るまでには同社の研修ハウスで数ヶ月にわたる基礎訓練を受け、材料の扱いや糊付けの技術を徹底的に学ぶなど、手厚い育成環境がプロとしての土台を形作った。「クロス施工は覚えれば誰にでもできること。でも、その中で唯一無二でいたいと思った時、何ができるかを突き詰め続けるのが面白いんです」。複雑な面や破れやすい繊細な材料ほど、プロとしての血が騒ぐ。「手こずるような難易度の高い現場こそ、やってみたい。自分に越えられない壁はないと思っています」と言い切る強靭な精神力が、彼女を突き動かしている。そんな小川さんが、技術以上に大切にしているポリシーが“掃除”だ。「技術の習得スピードは人それぞれですが、掃除は誰にでもできること。だからこそ、絶対におろそかにしない姿勢を大切にしています。空間が整っていないと作業スピードが落ちるし、何より仕上がりに影響します」。現場を美しく保つという基本の徹底。その姿勢は、周囲からの信頼にも直結している。
現場では後輩の指導も担い、一人ひとりの適性に合わせた指導を心がけている。「大規模なマンション現場で3人の後輩を同時に見た際は、視線の配分にパンク寸前になったこともありました(笑)。けれど、必死についてくる後輩たちの姿に助けられ、無事に工期を完遂させることができました」。小川さんの成長を間近で見てきた先輩の指宿さんも『スキルが優れているのはもちろん、情熱も人一倍。入社当初よりも周りを活かす力や責任感が備わり、現場を安心して任せられる存在になりました』と評価する。
キャリアの目標を問うと、「技術面も話題性も含めて、常に一番を走り続けたいです!」と力強い答えを返した小川さん。その視線は、以前の自分と同じように、将来に進む道を迷っている若者たちにも向けられている。「本当にやりたいことは、すぐには見つかりにくいもの。手に職をつけることは、世界や視野を広げる手段になります。まずは一度、触れてみてほしいですね」。
仕事の後や休日には、趣味のレゲエダンスに情熱を注ぐ。ここでも「誰もやったことがない技を自分のものにする」という追求心は変わらない。オンとオフ、どちらも全力で駆け抜ける彼女の姿は、建設業界に新しい風を吹き込んでいる。

株式会社文創
代表取締役社長
小西 一隆 氏
この度の受賞を励みに、より一層「人づくり」に邁進してまいります。私どもにとって、見るべきも、作るべきも、投資すべきもすべては「人財」であり、「人」以上に優先的に投資すべき場所はありません。この不変の哲学を礎に、技術者が正当に評価され、未来を担う若者が「憧れる職業」として胸を張れる業界環境を創造することが私たちの使命です。自社の成長のみならず、業界全体の発展を願い、志を同じくする仲間と共に、人々の暮らしを彩り豊かにする人財を育み続けてまいります。
建設人材育成優良企業表彰『国土交通大臣賞』を受賞
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