FRONTIER

FRONTIER
2025年5月号 No.568

「世の中に残る建設がしたい!」暮らしを力強く支える建設機械圧入機オペレータ。

建設の最前線へ!

森本もりもと 拓海たくみさん
株式会社技研施工
高知県出身

腰に付けたコントローラーを操り、絶妙な加減で杭の圧入作業を行っているのは、株式会社技研施工で働く森本拓海さん。今、彼が立つのは長崎県長崎市。地域の水道供給の基盤を支えるインフラであり、防災にも寄与する浦上ダムで進められている『浦上ダム建設工事(仮設工3工区)』の現場だ。洪水対策のための貯水池掘削を支える仮設岸壁を造成するこの工事で、森本さんはサイレントパイラー™(技研グループが開発した油圧式杭圧入引抜機)のオペレータとして活躍している。「杭を地中に圧入する作業は目に見えない部分も多く、経験や感覚も重要になる仕事。同じ現場でも10メートル離れただけで地盤条件が変わることもあり、毎日が真剣勝負です」と語る。地盤状況やトルクを丁寧に管理し、機械からの情報を基に判断する冷静さと集中力が求められる日々だ。

「杭を真っ直ぐ、鉛直に保つ。それがオペレータとして一番大切なことです」と話す森本さんは、現場で働く仲間とのコミュニケーションも欠かさない。「自分が正確に機械を動かせるのは、周りの支えがあってこそ。感謝の心を持つことは常に大事にしています。また、先輩方から教わった“機械や道具を大切にすることがわが社の文化”という言葉を胸に、使用後の機械や道具は常にきれいにし、資機材を直角・水平に並べるなど、職場の環境整備も意識しています。きれいに整った現場は、元請けや役所の皆様など、見ている方にも安心していただけます」。

土木に携わる祖父の背中を見て育ち、“世の中に残る仕事がしたい”という想いから技研施工に入社。携わってきた様々な現場の中でも印象に残っているものとして、東日本大震災の復興工事を挙げる。「何もなかった場所に新しい堤防ができあがっていく様子や、自分の手で作り上げていく感覚は今でも忘れません」。また、海外においてもセネガルやドイツの現場に臨み、オペレータとしての技術を高めてきた。「ドイツでは現場の雰囲気も違っており、作業時の服装だったり、日本よりも勤務時間が自由であることなど、文化の違いに驚きました。昼食にみんなでバーベキューをしたことも良い思い出です(笑)」。

現場でのやりがいは「杭がきれいに並び、鉛直に収まっているのを確認した瞬間」と話す森本さん。その感覚をさらに極め、今後は硬質地盤や50メートル級の超長杭といった難易度の高い現場にも挑戦したいと意欲を見せる。「もっと経験を積んで技術を磨き、どんな現場でも任せてもらえるオペレータになりたいです」。

「技研施工は新しい技術を試し、世の中に広めていく会社。宇宙でも活かせる圧入技術の開発にも挑戦しています。そんな最先端に関われることを誇りに思いますし、未経験の方でも育てる体制が充実しているので、やる気のある人!! ぜひ一緒に働きたいです。オペレータは正確さが求められますが、自分がイメージした通りに杭を圧入できたときの達成感は格別。多くの人に挑戦してほしい仕事です」と、建設業界を目指す人たちに向けてエールを送る。“世の中に残る建設”を担い、今日も森本さんはその目を現場へと向けている。


株式会社技研施工
代表取締役社長 CEO
西川 昭寛 氏

この度、弊社の取り組みを評価いただき、「不動産・建設経済局長賞」および「優秀賞(女性定着促進部門)」を賜りましたこと、大変光栄に存じます。
近年、建設業界では慢性的な人材不足が続く中、採用や育成に多くの課題が見られています。それに対し弊社では、Instagram活用による母集団形成と3Kイメージの払拭(新3K)、新入社員の離職を防ぐためのブラザー制度(OJT)、さらには育休取得率100%の実現といった取り組みを進めてまいりました。
今後も「未来を想う技術と感性で理想を日常に」の実現を目指し、より良い施策を推進することで、建設業界全体の発展に寄与してまいります。

建設人材育成優良企業表彰『不動産・建設経済局長賞』、『優秀賞(女性定着促進部門)』を受賞

 

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