FOCUS

FOCUS
2022年10月 No.542

伝統ある高校で取り組む、先進の機器を用いた学び。現場経験を活かし、未来の建設業の担い手を育てる!

戦国時代の名将・上杉謙信公が居城を置いた新潟県上越市。長い歴史を歩んできた当地域において、大正時代に高田市立高田商工学校として産声をあげた新潟県立上越総合技術高等学校は、現在創立106周年を迎えた伝統ある学校です。全国で活躍する技術者を数多く輩出する同校で教鞭をとり、iPadを用いたアクティブラーニングなどにも積極的に取り組む土木防災科・岩下陽先生にお話を伺いました。

生徒たちが教え合い学び合う、
iPadを活用したアクティブラーニングとは?

2021年より自身の母校である上越総合技術高等学校に着任した岩下先生。授業においては、GIGAスクール構想のもとで生徒一人ひとりに整備されたiPadをいち早く活用している。

「2年生にはAutoCADを用いた製図、3年生には土木構造物の施工方法などを教えていますが、例えば2次元だけでなく3次元の製図が行えたり、動画やスライドを映し出せる電子黒板になったりと、私が在学していた頃と比べて授業に用いる機材もソフトも格段に進化しており、私たちができることも、生徒自身が取り組めることも大きく広がっています。特にiPadはスライド機能やネットワークを介した共同編集機能が非常に優秀です。それらを活かして生徒が能動的に学べるアクティブラーニングに取り組めないかと考え、以前からアクティブラーニングの実践手法として用いられている“ジグソー法”を取り入れた授業を展開しています」

ジグソー法とは、それぞれグループごとにテーマや事例を研究し、異なるグループの生徒と知識を共有しながら学習を進めていく授業デザインのこと。学ばせ合うという特徴は、iPadの持つ機能とも相性が良いと話す岩下先生。

「題材にしたのは、コンクリートの劣化反応。疲労や塩害、アルカリ骨材反応などさまざまな劣化反応がありますが、まずはそれをグループごとに調べた後、グループとは別の班を組ませてそれぞれで発表し、その中での質疑で不明なところがあればまたグループで集まって調べ直すというサイクルを経て、最後は生徒たちが作ったスライドを電子黒板に映しながら発表するといった流れです。リアルタイムでスライドの同時編集ができるため、従来のようにそれぞれのパソコンにUSBを挿して、それを持ち寄って…といった時間のロスや共有不足も少なく、iPadならではの点を活かせているかと思います」

1 2

関連記事

しんこう-Webとは
バックナンバー
アンケート募集中
メールマガジン配信希望はこちら