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社会保険未加入の現状と対策

社会保険未加入の現状と対策|社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査

 日々の暮らしの中では、さまざまなリスクが存在し、避けがたい状況もあります。そういった時に支えになる仕組みが雇用・医療・年金の各公的保険制度です。社会保険への加入は法律上の義務であり、建設労働者の権利でもあります。しかし、本業界では未加入問題がたびたび指摘され、国土交通省ではその加入状況等に関する実態調査を行いました。今回は、調査結果の概要と、国の加入促進対策の現状、社会保険未加入対策推進協議会出席団体による取り組みをご紹介します。

 
 社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査
 
国土交通省 土地・建設産業局 建設市場整備課



 建設産業においては、建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保を図るとともに、事業者間の公平で健全な競争環境を構築するため、平成29年度を目途に事業者単位では加入義務のある建設業許可業者の100%、労働者単位では製造業相当の加入状況を目指し、社会保険等への加入徹底に取り組んでいる。この社会保険等未加入対策については、具体的な取組を開始して約3年が経ち、目標期間である5年間のうちの中間年度を経過しようとしている。
 今後は、平成29年度の目標達成を見据えて、取組の成果や現場の実情を把握し、必要に応じて的確な対策を実施していくことが一層重要になる。
 今般、国土交通省では、社会保険等未加入対策に関連したこれまでの施策効果、浸透状況、民間工事に係る社会保険等への加入状況を把握し、更なる社会保険等への加入徹底方策を検討していくためにアンケート調査を実施した【図1】。本稿では、本アンケート調査の主な調査結果について紹介する。
 なお、今回のアンケート調査結果は、調査期間内における回答を集計した速報値であり、最終的な調査結果は、調査期間後に提出があった回答も含めて改めて公表する。


【図1】社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査について(調査の概要)



1.調査の目的
これまでに実施してきた各施策に関する各建設企業における取組状況および施策の現場への浸透状況等を総合的に把握し、社会保険等未加入対策の目標達成を見据えた加入徹底方策を検討することを目的とする。
 
2.調査の概要
現場別調査(サンプル調査)
【調査対象】全国約200現場(民間建築工事)の元請及び下請企業を対象としたサンプル調査を実施
【調査期間】平成26年12月9日(火)~12月19日(金)
【回答状況】3,327件
企業別調査(団体会員企業)
【調査対象】社会保険未加入対策推進協議会に参加する建設業者団体に所属する会員企業
【調査期間】平成26年12月16日(火)~平成27年1月8日(木)
【回答状況】2,916件
 
主な設問項目
企業・作業員の社会保険等の加入状況(現場別アンケートのみ) 社会保険等加入状況の確認・指導の状況
法定福利費を内訳明示した見積書への対応
法定福利費を内訳明示した見積書の注文者への提出有無(建退共の活用状況)
 


 (1)社会保険等への加入状況について
 

 今回、民間建築工事のサンプル調査を実施し、企業、作業員の健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入状況を調査した。調査結果をみると、社会保険等への加入率は、企業別で健康保険73.2%、厚生年金保険68.3%、雇用保険71.4%、作業員別で健康保険66.6%、厚生年金保険67.1%、雇用保険78.3%であった【図2】
 また、企業、作業員の健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入率を下請次数別にみると、企業別・作業員別ともに、一次下請でかなり高く、二次下請以下で低いという結果であった【図3】


【図2】民間建築工事における社会保険等への加入状況について(全体)



※調査対象となった現場は、同一の企業から複数の提供を受けていることもあり、回答数には同一企業のものが重複しているケースがある。
※企業別は、基本的に施工体制台帳(再下請負通知書)等の提供を受けて集計。作業員別は現場の施工体制に属する企業において作業員名簿をもとに集計を行ってもらった。
※健康保険(作業員別):【加入】協会けんぽ、組合管掌健康保険、全国土木建築国民健康保険組合、建設国保、【未加入】市町村国民健康保険、その他、未加入・空欄
※厚生年金保険(作業員別):【加入】厚生年金、受給者、【未加入】国民年金、その他、未加入・空欄

 
 
【図3】民間建築工事における社会保険等への加入状況について(下請次数別)





 

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